食後の強い胸焼け。胃がんでは…と不安
食後に胸焼けを感じます。また、食後30分足らずで寝ると、さらに強い胸焼けや酸っぱいものがこみ上がる感じがあります。胃がんなのではないかと心配です。
女性/40代
2022/01/28
食後や、食後の臥床で強い胸焼けと酸味がこみ上がり(呑酸<どんさん>)、胃がんを心配されているとのこと。症状の原因を検討し、胃がんの一般的な自覚症状についてご説明します。
食後の胸焼けは、消化器の不調の典型的な自覚症状で、食道からつながる胃の入り口部分の胃酸や胆汁の逆流の刺激でよく起こります。
食後に胸焼けや胃もたれは、逆流性食道炎の代表的な症状です。胃と食道のつなぎ目が緩んで、胃酸が逆流することによって食道の粘膜がただれる病気(炎症)です。このつなぎ目は、絞った雑巾のような捻じれた構造で、お腹に脂肪や前かがみの姿勢で腹圧がかかることなどで容易に緩み、胃酸が食道に逆流することがあります。たんぱく質(魚、肉、卵、乳製品、大豆製品)を多くとると胃酸の分泌が増えます。近年この病気が増えている背景には、たんぱく質を多くとる傾向も要因の一つとして指摘されています。胃の内視鏡検査(胃カメラ)を経て診断されます。
一方、胃がんは日本人に多くみられますが、男性に多く、50歳頃から増え、80代がピークです。早期の胃がんは自覚症状がほとんどなく、進行しても症状がない場合もあります。おもな症状は、みぞおち(胃)の痛みや不快感、胸焼け、吐き気、食欲不振、出血による貧血や黒い便が出ることなどですが、いずれも胃炎や胃潰瘍などでも起こる症状です。
ご相談者がお困りの症状は、逆流性食道炎の典型的な症状です。これが当てはまるのかもしれません。
逆流性食道炎の治療と予防は、薬物療法と生活習慣の改善が基本です。
軽症の場合、生活習慣の改善で軽快することもありますが、中等度以上の場合は生活習慣に加え、薬物療法が主体です。症状は内服によって比較的容易に軽快しますが、再発しやすい病気です。再発予防は、医師の指示があるまで薬物療法を続けることと、理想的な生活習慣の維持です。薬物療法は、医師によって症状に合わせた薬が処方されます。自覚症状がなくても食道の炎症が治まるまで1~2カ月ほど内服を続けることもあるため、医師とよく相談しましょう。
逆流性食道炎による症状の改善や再発予防のための生活習慣は以下となります。
・食後3時間程度は横にならない
・就寝直前に食事をとらない
・睡眠時に上半身を少し高くする
・食べすぎず、ゆっくりよく噛んで食べる
・脂肪の多いもの、酸味の強いもの、激辛のもの、熱すぎるもの、甘いものは避ける
・食後に胸焼けなどの症状が出た食品は避ける
・炭酸飲料やアルコールの飲みすぎを避ける
・肥満は解消する
・長時間前かがみの姿勢をとらない
・喫煙者は禁煙する
・ベルトなどでお腹をしめつけない(女性は補正下着などで締め付けることも含みます)
ご相談者は、症状をまず医師へご相談なさることがすすめられます。症状が一日も早く軽快されますよう願っております。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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