体重・筋肉量の減少

最終編集日:2022/3/30

加齢とともに体重や筋肉量が減少するのは自然なことですが、体重や筋肉量の減少はさまざまな障害をひきおこす原因にもなります。栄養不良や機能障害の兆候がみられる場合には生活改善が必要です。

原因

人は加齢に伴って筋肉や脂肪の量が減少していくため、高齢になるにつれて体重が減少していくのは不自然なことではありません。ただし急激に体重が減ったり、大幅な体重減少がみられたりする場合には原因を探る必要があります。
高齢者の大幅な体重減少の原因には、嚥下障害などによる食事量の減少や、摂食障害につながる薬の副作用、活動量の不足などがあります。

症状・影響

体重や筋肉量が減少すると、体力が低下して疲れやすくなる、免疫機能が衰えて感染症にかかりやすくなったり傷が治りにくくなったりする、運動機能の衰えで転倒しやすくなる、骨密度の低下で骨折しやすくなる、などの症状が現れます。

治療

低栄養が原因で体重が減少している場合には、栄養状態を改善するための指導が行われます。それに加え、体重減少に伴って筋肉量も減っているため、ほかに原因となる疾患がない場合は、筋肉量を増加させるための運動指導が行われることもあります。
筋力低下とともに筋の萎縮がみられることも多いため、高齢者には適度なストレッチやウォーキング、水中歩行などが推奨されています。

セルフケア

加齢に伴って筋肉量と筋力が減り、身体機能が低下した状態を「サルコペニア」といいます。サルコペニアが進行すると転倒や骨折、フレイル(虚弱)などのリスクが高まるため、体重と筋肉量の増加をはかりましょう。
栄養をしっかりとり運動をつづければ、高齢になっても筋肉量を増加させることはできます。多様な食品をまんべんなくとり、無理のない範囲で運動を行ってください。最初は椅子に座ったままでの足上げ運動や軽い散歩から始め、慣れてきたら少し遠距離のウォーキングなど、下半身を重点的に鍛えれば心筋機能をアップさせることもできます。運動後にプロテインやアミノサプリを取り入れてみるのもよいでしょう。
ひざや腰などに痛みがあって運動しにくい場合には、水中歩行などを行うと関節に負担をかけずに筋肉を鍛えることができます。

監修

あしかりクリニック院長

芦刈伊世子

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