慢性リンパ性白血病まんせいりんぱせいはっけつびょう
最終編集日:2022/1/11
概要
慢性リンパ性白血病は、白血球のひとつであるリンパ球のうちのBリンパ球ががん化して起こる白血病です。慢性リンパ性白血病は、50歳以降の中高年に多く、女性よりも男性に多くみられます。日本では欧米にくらべて1/10程度と非常に少ない病気です。
原因
慢性リンパ性白血病の原因ははっきりわかっていません。
症状
初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断やほかの治療で偶然発見されることが多い病気で、非常にゆっくりと進行します。進行するとリンパ節、肝臓・脾臓の腫れ、末梢血液中のリンパ球の増加などの症状が現れます。また貧血や血小板の減少により出血傾向が強くなることがあります。さらに進行すると体重減少、全身の倦怠感とともに免疫機能の低下が起こり、細菌やウイルス感染による発熱、肺炎などを起こしやすくなります。
検査・診断
血液検査を行い、異常が認められた場合は骨髄検査が行われます。骨髄検査では骨髄穿刺により骨髄中でがん細胞が増えているかを調べます。さらに細胞の免疫学的検査(細胞の種類を特定する)、白血病細胞の染色体検査などが行われます。
こうした検査で、リンパ球数が5000/μL以上の状態が3カ月以上つづいていること、増加しているリンパ球が成熟したリンパ球であることなどにより、慢性リンパ性白血病の診断が確定されます。
治療
おもな治療法は、抗がん剤による化学療法です。ほかにも放射線療法や造血幹細胞移植などが行われることもあります。
ただし進行がゆっくりした慢性病なので、肝臓や脾臓の腫れによる圧迫の状態や貧血症状を考慮して経過観察になるケースも多くあります。強い化学療法などを行うと抵抗力の低下が起こり、かえって感性症などにより重篤な状態につながる可能性があるからです。
セルフケア
療養中
慢性リンパ性白血病の診断を受けた場合は、感染症への予防が大切です。その際のセルフケアの基本は手洗いとうがいです。外出の際にはマスクを着用したほうがいいでしょう。
予防
慢性リンパ性白血病特有のリスクや予防法はわかっていません。
一般的ながん予防法である禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動、適正体重の維持、感染予防などが効果的と考えられます。
監修
寺下医学事務所医学博士
寺下謙三
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