骨髄異形成症候群

こつずいいけいせいしょうこうぐん

最終編集日:2022/3/12

概要

血液は、血漿(けっしょう)という液体成分と、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞からなります。血液中の血液細胞は、骨のなかにある骨髄で、元となる造血幹細胞から増殖・成熟を経てつくられます。本来は赤血球は全身に酸素を運び、白血球は細菌やウイルスからからだを守り、血小板は出血を止める役割を担いますが、骨髄異形成症候群は、骨髄にある造血幹細胞の異常により、正常な働きの血液細胞がつくられなくなる病気です。

原因

多くの場合は原因不明です。患者の骨髄細胞の約半数に染色体異常がみられますが、先天的なものではなく、親から子どもへの遺伝や人への感染などはありません。骨髄異形成症候群では、過去に何らかのがんで化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法を受けた人が、数年後にその副作用のようなかたちで発症するケースがあり、これは治療関連骨髄異形成症候群(ちりょうかんれんこつずいいけいせいしょうこうぐん)と呼ばれています。この場合はがん治療の影響で造血幹細胞の遺伝子に異常が生じることが、病気の発症に関与していると考えられています。

症状

症状は異常のある血液細胞や進行状態によっていろいろです。初期には無症状の人もいて血液検査などで発見される場合もあります。しかし多くは血液細胞が減少して正常に働かなくなるため、さまざまな症状が現れます。

●赤血球減少による症状

全体倦怠感、息切れ、動悸、めまいなど。

●白血球の減少、機能低下による症状

発熱、かぜ症状、感染症にかかりやすいなど。

●血小板の減少による症状

鼻出血、歯肉(歯ぐき)の出血、皮膚や粘膜の点状出血(細かい点状の皮下出血)、青あざができるなど。


検査・診断

自覚症状や病歴などからまず血液検査を行い、血液の中の赤血球・白血球・血小板の数が減少しているかどうかを確認します。その結果、骨髄異形成症候群が疑われる場合は、骨髄に針を刺し、骨髄液を採取する骨髄穿刺(こつずいせんし)を行い、血液細胞の形態異常の有無やどのくらい減少しているかなどを調べます。

骨髄液中に未熟な血液細胞である芽球(がきゅう)はあるか、染色体異常はあるかなどの検査結果により病型や重症度、予後予測(経過の見通しのこと)などを診断します。骨髄異形成症候群は急性白血病に進行するリスクがあるため、その診断が非常に重要な病気です。血液や骨髄液中の芽球の割合が20%以上になると急性白血病と診断されます。

同じように血球が減少することで起こる疾患、例えば再生不良性貧血のような病気と見分けるためにも、骨髄検査が重要な診断基準になります。


治療

治療方針は予後予測や年齢、からだの状態などを考慮し、リスク別に決定されます。基準となるのは、白血病に進行する可能性の低リスク群・高リスク群のどちらに該当するかです。

具体的な治療方針は患者と医師との話し合いで決めていきます。医師からは低リスク群には血球減少への対応を中心とした治療が、高リスク群にはより積極的な治療が提案されます。どのような病型に属し、どのような治療をどういう目的で受けるのかなど、説明をしっかり聞いて納得できる治療を受けてください。


●低リスク群

臨床症状がないときは経過観察のみ。症状によって免疫療法や化学療法が提案されます。

●高リスク群

症状によって化学療法か造血幹細胞移植などが提案されます。



セルフケア

予防

気になる自覚症状がある場合はすぐに専門医に相談しましょう。とくに過去に何らかのがん治療を受けた人は、定期的な検査を行うことが大切です。

骨髄異形成症候群と診断され治療を始めた場合には、治療後に吐き気、食欲不振、だるさ、手足のしびれ、口内炎などの副作用が現れることがあります。しっかり栄養管理をして体力を低下させないように努めましょう。定期的に通院し、担当医とよく相談しながら適切な支持療法を受けることが大切です。


監修

東馬込しば整形外科 院長

柴伸昌

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