リンパ性白血病
りんぱせいはっけつびょう

最終編集日:2022/3/12

概要

白血病は血液のがんです。白血病には急性のものと慢性のものがあり、それぞれに骨髄性のものとリンパ性のものがあります。それらはまったく異なる病気です。

小児の白血病では急性リンパ性白血病の頻度が高く、一方で、慢性リンパ性白血病は50歳以上に発症し、比較的、男性に多い傾向があります。


血液中のさまざまな細胞(血球)は、骨髄中の造血幹細胞という細胞からつくられたのち、徐々に分化・成熟して血球としての機能を発揮するようになります。成熟する前の段階の若い細胞を「前駆細胞」といいます。急性リンパ性白血病は、白血球の一種のリンパ球の前駆細胞が、分化の過程で異常をきたし増える病気です。一方、慢性リンパ性白血病は、前駆細胞よりも分化・成熟したリンパ球が異常になって増える病気です。


原因

はっきりとした原因は明らかになっていないものの、急性リンパ性白血病のなかには先天性の病気との関連や、放射線への暴露が原因と考えられるものもあります。

慢性リンパ性白血病は、日本では比較的まれな疾患です。人種によって発症頻度に違いが認められるため、遺伝的な要因があると考えられています。


症状

異常が生じた細胞が骨髄で増えてしまうために、正常な血液細胞の産生が抑えられてしまいます。

白血球は外敵である細菌などから身を守る役割があるため、正常な白血球が減少すると、感染症などに対する抵抗力が失われ、感染症にかかりやすくなったり、発熱などの症状がみられます。

赤血球や血小板が減少すると、貧血症状や出血傾向(あざができたり血が止まりにくくなること)が出現します。

急性リンパ性白血病はこうした症状の進行が速い一方で、慢性リンパ性白血病はゆっくり進行することが多く、健康診断などで白血球の数が多いと診断されて、偶然わかるケースがしばしばあります。


検査・診断

身体診察とともに、血液検査で白血球の数や種類、赤血球や血小板の減少の有無などを調べます。白血病が疑われる場合には、骨髄検査を行って異常な細胞の増加があるかを調べ、増加していた場合にはその細胞の性質をくわしく検査して診断を確定させます。

治療

急性リンパ性白血病の場合は進行が速いので、早急に入院して治療を開始します。

急性・慢性とも、いずれの場合も治療は白血病細胞の増加を食い止め、正常な血液細胞を増やすことを目的としています。

急性リンパ性白血病の場合は、複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法を行います。比較的若年で化学療法のみで治癒が困難と考えられる場合には、造血幹細胞移植も検討します。

一方、慢性リンパ性白血病の場合、貧血や血小板減少の程度も軽く自覚症状もとくにないケースでは、無治療で経過観察となることもあります。


セルフケア

療養中

リンパ性白血病の化学療法では、試用される薬剤の種類によって、食欲不振、吐き気や嘔吐、便秘や下痢、口腔や消化管の粘膜障害、脱毛などの副作用がみられます。副作用を抑制したり軽減させたりする薬や、緩和する処置などもあるので、医師と相談して自分の症状に合った対策をしましょう。 

また、治療中は体の免疫機能が低下していますので、手洗い、マスクといった感染対策も重要です。口腔内を清潔にしておくことも大切です。


監修

東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授

川田浩志

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