脱肛(肛門脱)
だっこう・こうもんだつ

最終編集日:2023/3/23

概要

脱肛(肛門脱)とは、肛門から痔核(いぼ痔)や肛門ポリープなどが外に出てくる状態を指します。もっとも多くみられるのは、痔核のなかの「内痔核」と呼ばれるものです。

直腸が肛門から脱出するものは「直腸脱」といい、日本大腸肛門病学会では別の病態として扱っています。

原因

肛門の約2cm奥には、肛門の皮膚と直腸の粘膜の境目となる「歯状線」があります。内痔核は歯状線の上方(直腸側)にできる痔核で、肛門の開閉にかかわる組織が緩んで伸びることで発症します。

肛門ポリープは歯状線周辺にできる良性の腫瘍で、下痢や便秘、痔核などが原因になって発生します。

肛門から脱出する原因は、内痔核やポリープが進行して大きくなった、便秘がちでトイレでいきむことが多い、便秘や下痢をくり返すために肛門への刺激が多い、加齢による肛門周辺の筋肉や軟組織の脆弱化などであると考えられています。

脱肛は肛門からいぼ痔の内痔核などが外に出てきてしまう状態
脱肛は肛門からいぼ痔の内痔核などが外に出てきてしまう状態

症状

肛門から何かが出ているという違和感が生じます。

脱出した内痔核やポリープが下着に擦れて痛みが生じたり、出血がしたり、下着が汚れたりします。内痔核では脱出したまま中に戻らない「嵌頓(かんとん)」という状態になると、強い痛みや腫れを伴います。

検査・診断

肛門鏡による視診と直腸指診で診断がつきます。

まれに肛門部悪性腫瘍(がん)のこともあるため、鑑別診断が行われます。

治療

肛門ポリープの脱出は、手術での切除が第一選択となります。

内痔核の脱出は、薬剤を注射して内痔核を固める硬化療法(ALTA療法)、あるいは結紮切除術が治療の中心になります。

セルフケア

予防

最近は健康診断の大腸内視鏡検査で、内痔核や肛門ポリープを指摘されるケースも増えています。症状がなければ治療する必要はありませんが、肛門から頻回に脱出するようになったら、早めに専門医を受診して適切な治療を検討しましょう。

また、肛門ポリープや内痔核を発生させないために、日常生活で次のようなことを心がけましょう。

・便意を我慢しない

・便意が起きてからトイレに行く

・トイレにいるのは3~5分にとどめる

・便秘や下痢をしない食生活の実践(水溶性食物繊維、乳酸菌、発酵食品などを積極的にとる、アルコールやからいものは控えめに、暴飲暴食しない)

・入浴時はシャワーではなく、浴槽につかって肛門周囲の血行を改善する

・立ちっぱなし、座りっぱなしを避けて1時間に1回は立ち上がったり、歩いたりして、お尻の筋肉をほぐす、血行をよくする

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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