もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)

もやもやびょう

最終編集日:2022/4/4

概要

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、脳のなかにあるウィリス動脈輪という動脈の輪を形成している太い血管が、徐々に狭くなって閉塞する進行性の脳血管閉塞症です。もともとあった細い血管が、脳の血流維持のために異常に拡張してしまい、MRIなどで撮影すると、通常の太い動脈がうつらず、毛のように細い異常な血管網がたばこの煙のようにもやもやとうつることから「もやもや病」と呼ばれます。はっきりとした原因がわからないため、特定疾患として難病指定されています。


原因

遺伝的な要因が疑われていますが、原因は明らかになっていません。

症状

発症する年齢層については、5歳前後と、30~40歳頃の2つのピークがあり、男性よりも女性のほうがやや多いとされています。子どもの場合には、走る、大声で泣く、熱い食べ物に息を吹きかけて冷ます、笛やハーモニカなどを演奏するなど、大きな呼吸を短い時間にくり返すときの過呼吸が誘因となって、症状が出ることがしばしばみられます。

症状はおもに、手足の脱力感、感覚障害、意識障害、言語障害、けいれん、頭痛などです。成人の場合、症状が頭痛だけだったり、症状がなかったりして検査などで偶然発見されることもあります。また、高次脳機能障害といって、注意力や記憶力が低下することが症状となる場合もあります。細い血管に大量の血液が流れるため、血管が切れて脳実質内出血、脳室内出血、くも膜下出血などの頭蓋内出血、脳梗塞を発症することがあります。これにより、もやもや病であることが発見されることがあります。

内頸動脈の狭窄・閉塞の代償として細い血管が発達し、もやもやして見える
内頸動脈の狭窄・閉塞の代償として細い血管が発達し、もやもやして見える

検査・診断

多くの場合、MRI検査、造影CT検査などによる脳の画像診断によって発見されます。診断を確定するために、カテーテルを用いた脳血管撮影が行われることもあります。

治療

現在、脳血管の狭窄の進行を抑える治療法はないため、対症療法として、血流をよくして発作を減らすための脳血管拡張薬や、血栓ができるのを防ぐための抗血小板薬の投与などが行われます。子どもの場合には、脳の表面に腱膜や筋肉を付着させて血行を促し、新しい血管が自然に生じることを期待する間接的血行再建術(間接バイパス術)や、側頭部の頭皮近くを通る浅側頭動脈を中大脳動脈という動脈と吻合して新たな血流経路をつくる浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術という手術(直接バイパス術)が行われることがあります。成人の場合は、手術の有効性がはっきりと確認されていません。


セルフケア

予防

症状に気づいた場合は、早めに専門医の診察を受けてください。とくに小児期に症状がしばしばみられる場合は激しい運動や楽器の演奏などは控えるとともに、早期に診察を受け、手術を含めた治療方法について医師と相談することが重要です。

成人では、顕著な症状が現れないまま、脳卒中などに至る場合があるとされ、定期的な脳ドックなどで早期に発見することが重要です。また、遺伝的な要因もあるといわれており、家族にもやもや病と診断された人や症状のある人、若くして脳卒中などを発症した人がいる場合にも、定期的に脳ドックなどの検査を受けることが重要です。


監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科 部長

福井和樹

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