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もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
もやもやびょう

最終編集日:2026/1/28

概要

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、脳のなかにあるウィリス動脈輪という動脈の輪を形成している太い血管が、徐々に狭くなって閉塞する進行性の脳血管閉塞症です。もともとあった細い血管が、脳の血流維持のために異常に拡張し、MRIなどで撮影すると、通常の太い動脈が写らず、毛のように細い異常な血管網がたばこの煙のようにもやもやと映ることから「もやもや病」と呼ばれます。はっきりとした原因がわからないため、特定疾患として難病指定されています。


原因

遺伝的な要因が疑われていますが、原因は明らかになっていません。

症状

発症年齢のピークは5歳前後と30~40歳頃の2つがあり、男性よりも女性にやや多いとされています。子どもの場合は、走る、大声で泣く、熱い食べ物に息を吹きかけて冷ます、笛やハーモニカなどを演奏するなど、大きな呼吸を短い時間に繰り返すときの過呼吸が誘因となって、症状が出ることがしばしばみられます。

おもな症状は、手足の脱力感、感覚障害、意識障害、言語障害、けいれん、頭痛などです。成人では、頭痛のみの症状、あるいは無症状のまま、検査で偶然発見されることもあります。また、注意力や記憶力の低下といった高次脳機能障害が症状となる場合もあります。

細い血管に大量の血液が流れるため、血管が切れて脳出血、くも膜下出血などの頭蓋内出血を起こしたり、脳梗塞を発症することがあり、これによって、もやもや病が発見されることがあります。

内頸動脈の狭窄・閉塞の代償として細い血管が発達し、もやもやして見える
内頸動脈の狭窄・閉塞の代償として細い血管が発達し、もやもやして見える

検査・診断

多くの場合、MRI検査や造影CT検査などによる脳の画像診断によって発見されます。診断確定のために、カテーテルを用いた脳血管撮影が行われることもあります。

治療

症状の有無や重症度によって異なりますが、基本は外科的治療が中心です。

子どもの場合には、脳の表面に腱膜や筋肉を付着させて血行を促し、新しい血管が自然に発生することを期待する「間接的血行再建術(間接バイパス術)」や、側頭部の頭皮近くを通る浅側頭動脈を中大脳動脈という動脈と吻合して新たな血流経路をつくる「浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術(直接バイパス術)」という手術が行われることがあります。

成人の場合、出血型に対する「外科的血行再建」は有効性が確認されており、推奨されています。血流不足(虚血型)で症状が出ている場合は手術が推奨されていますが、症状がない場合で体に悪影響を及ぼしていない状態であれば、予防的に手術をすることは推奨されていません。

内科的治療では対症療法として、血栓ができるのを防ぐための抗血小板薬の投与などが行われます。脳血流低下を防ぐため、血圧低下を避ける、脱水を避けるなどの生活上の注意が必要です。


セルフケア

予防

症状に気づいた場合は、早めに専門医の診察を受けてください。とくに小児期で症状が繰り返し見られる場合は、激しい運動や楽器の演奏などは控え、早期の診察と手術を含めた治療方法について医師に相談することが重要です。

成人では、顕著な症状が現れないまま脳卒中などに至ることがあるとされ、定期的な脳ドックなどで早期に発見することが大切です。

また、遺伝的な要因もあるとされており、家族に次のような人がいる場合は、定期的に脳ドックなどの検査を受けるとよいでしょう。

・もやもや病と診断された人や類似の症状がある人

・若くして脳卒中を発症した人


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監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター副院長 循環器内科

福井和樹