Question

もやもや病と診断。仕事が続けられるか不安

半年ほど前から、物忘れがひどくなり、言葉出てこないなどの症状が起こるようになって、仕事でもミスを連発するようになりました。脳神経外科を受診したところ「もやもや病」との診断を受けました。日常生活はともかく、仕事面ではこれまでと同じようにすることができず困難を感じています。仕事を続けることは難しいでしょうか。

男性/40代

2024/06/12

Answer

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、脳のウィリス動脈輪という動脈の輪を形成している太い血管が徐々に狭くなって詰まっていく原因不明の病気です。

脳が血流不足を起こすため、細い血管が脳の血流維持のために異常に拡張してしまい、MRIなどで撮影すると、毛のように細い血管網がもやもやとうつることから「もやもや病」といわれています。口の周りや手足のしびれ、頭痛といった軽い症状で脳の検査をした際に、病気が見つかることもあります。


前頭葉の血流不足による虚血症状が起きやすく、虚血状態を解消しようとさらに血管に負担がかかると、破裂して脳出血を起こすことがあります。

脳が虚血状態になると、手足のしびれや麻痺が起こり、言葉が話せなくなる、ろれつが回らなくなるといった言語障害などが起こります。

また、破裂して脳出血を起こすと、激しい頭痛に加え、意識障害、手足の麻痺、言語障害などが起こり、重症の場合には生命にかかわることもあります。


そのほか、情報処理能力、注意力、記憶力の低下といった高次脳機能障害をきたすこともあります。


治療については、脳血管の狭窄の進行を抑える治療法はないため、対症療法として、血流をよくして発作を減らすための脳血管拡張薬や、血栓ができるのを防ぐための抗血小板薬の投与などが行われます。

日常生活では、脳の血管の狭窄が進行していく人もいれば、そうでない人もいるため、定期的に検査をうけることが必要です。


今回のケースのように、高次脳機能障害を起こしている可能性がある場合は、障害があることが周囲からわかりにくく、理解されにくい側面があります。

高次脳機能障害は、現時点で根治的な治療方法は確立されていません。記憶障害や構音障害など、現れている障害に対してリハビリテーションを行っていくことが中心となります。


まずは、職場の上司に相談し、主治医からの病気に関する業務上の配慮などがあれば、それを伝えてみる方法があると思います。

また、職場に産業医や保健師などがいるなら、具体的に相談してみることをおすすめします。

産業医などの産業保健スタッフは、職員の心身の健康を守る役割があり、安全配慮に関する相談にも親身になって相談にのってくれます。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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