漢方薬でかぜやインフルエンザの症状を緩和

最終編集日:2023/11/13

漢方薬の原料は、おもに植物の根や茎、花などから作られた生薬です。自然由来の生薬にはからだを温めたり、元気にしたりなど、さまざまな薬効があり、冬の冷え、かぜやインフルエンザの症状などにも効果があります。そこでドラッグストアなどで手軽に入手できる漢方薬の中から、冬におすすめのものをご紹介します。


●からだの熱を払う漢方薬でかぜの初期症状を緩和

漢方では、かぜはそれぞれの季節の邪気がからだに入ることで引き起こされると考えられています。冬なら「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」、夏なら「風熱邪(ふうねつじゃ)」などです。

かぜに用いる漢方薬といえば「葛根湯(かっこんとう)」が有名ですが、冬のかぜにももちろん用いられます。からだの表面の邪気(熱)を払う働きのある葛根などの生薬が配合され、寒気を伴う発熱や、かぜの初期の頭痛や鼻水などに適しています。「ゾクゾクする。かぜかな?」と思ったときに服用するのがおすすめです。

「麻黄湯(まおうとう)」も、冬のかぜに用いられます。配合されている麻黄と桂皮がからだの表面から温めて、かぜの初期症状を緩和させます。なお、麻黄湯はウイルスを不活化させ、インフルエンザによる発熱期間を短縮させる効果があることが認められています。インフルエンザの治療薬として医師が処方することもあります。

いずれの漢方薬も、かぜの初期に用いるものなので、症状が長引く場合は薬剤師に相談したり、医療機関を受診しましょう。


●肺を潤す漢方薬で長引くせきを改善

かぜの回復期に、せきが長引く場合には「麦門冬湯(ばくもんとうとう)」。肺を潤し、乾いたせきを止める効果がある麦門冬などが配合されています。なお、しばらく服用しても改善しない場合は薬剤師に相談したり、医療機関を受診しましょう。


●からだを温める作用のある漢方薬で冷えを改善

からだを温める力が弱い状態を漢方では「陽虚(ようきょ)」といいます。陽虚の人はからだが冷えやすいため、寒がりで冬に弱い傾向にあります。

からだの表面だけが寒い軽い冷えであれば「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」がおすすめです。からだを温める桂皮(けいひ)や附子(ぶし)、からだの湿気をとる蒼朮(そうじゅつ)または白朮(はくじゅつ)が配合されています。

からだの芯まで冷えているような場合は「八味地黄丸(はちみじおうがん)」。陽虚の根本にある「腎」の低下を補う作用がある地黄、桂皮など8種類の生薬が配合されています。冷えによる頻尿にもよく用いられる漢方薬です

冷え性で貧血気味、むくみがちの場合は「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」。血を補う当帰と芍薬のほか、体内の水の流れをよくする生薬が配合されています。

監修

東邦大学医療センター大森病院 東洋医学科 准教授

田中耕一郎

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