「LH比」を整えて脂質をコントロール

最終編集日:2025/2/3

近年、血中脂質のLDLコレステロールの数値だけでなく、LH比が注目されるようになってきました。LH比とは、血液中に含まれている悪玉と呼ばれるLDLコレステロールと、善玉と呼ばれるHDLコレステロールの値を比較した数値です(LH比=LDLコレステロール÷HDLコレステロール)。

コレステロールは、LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスが重要で、このバランスが崩れると動脈硬化が進む誘因となります。LH比は、血管の状態や動脈硬化のリスクを知る手がかりとなるため、脂質異常症の診断で重視されています。

検診結果で、LH比が1.5未満なら血管内はきれいな状態、2.0以上2.5未満は動脈硬化が疑われる状態、2.5以上は血栓ができている可能性があり、心筋梗塞のリスクが高い状態と考えられます。LH比が3以上の場合、生活習慣を見直して血中脂質のバランスを改善していく必要があります。


●「LH比」を整える生活習慣改善のポイント

(食生活)

食事は主食、主菜、副菜を基本に1日3食、栄養バランスのとれた食事をとり、食べすぎに注意することが大切です。

LDLコレステロールを上げやすい食品(バラ肉、ベーコンなど冷えると固まる脂)や揚げ物は控えめにし、逆にLDLコレステールを下げる納豆や豆腐などの大豆製品、サバやマグロなどの青魚を摂取しましょう。また、野菜、きのこ、海草に多く含まれる食物繊維には、脂質を体外に排泄する働きがあるので積極的にとることが大切です。なお、糖質を含む炭水化物や糖分の多い飲み物のとりすぎは、中性脂肪が高くなる原因となるので要注意。果物の食べすぎも中性脂肪の増加につながるので、果物は1日100~200gを目安にして食べすぎないようにしましょう。


(運動)

適度な運動は、HDLコレステロールの増加に有効です。とくに、ゆっくりと脂肪を燃焼させるウォーキングなどの有酸素運動は、中性脂肪を減らしてHDLコレステロールを増やす効果が期待できます。なるべく毎日30分以上、週に数回でも継続して行うことが大切です。

時間がとれない場合は、生活のなかでこまめに動いたり、簡単にできる体操を取り入れたりして、からだを動かす習慣をつけましょう。


(休養)

ストレスや疲れによって血中脂質の合成が促されますので、自分なりのストレス解消法を見つけて実行し、上手に気分転換を図りましょう。また、十分な睡眠をとり、心身を休養させることも大切です。


監修

保健同人フロンティアメディカルチーム

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