持病がある人のための災害対策

最終編集日:2024/9/2

9月は防災月間です。地震、豪雨、洪水、豪雪などの災害は、いつ起こるかわかりません。特に持病がある人は、いざというときのために避難生活での注意点を知っておくことが大切です。


●栄養の偏りや運動不足によるリスク

災害時は、食料不足や野菜不足などで栄養が偏るほか、運動不足や不安・ストレスによって血圧値や血糖値が上昇し、心筋梗塞など心血管疾患のリスクが高くなります。特に、高血圧糖尿病、心臓病などの持病がある人は、被災により病気が悪化しやすくなるので要注意。避難所では、自分の持病と症状を避難所の医師やスタッフ、周囲の人に伝え、サポートを受けやすいようにしておくと安心です。


●災害時の血圧コントロール

ストレスや睡眠不足が続くと、血圧上昇のリスクが高くなります。散歩や軽い体操などの運動で気分転換をしたり、深呼吸をしたりしてリラックスを心がけましょう。そして厳しい環境下でも、できるだけ睡眠をとるようにします。また、寒いと血圧が高くなりやすいので、体を温めることも大切です。血流をよくするためには、水分を十分にとること。食事は、塩分のとりすぎに注意し、野菜や果物が入手できるようになったら積極的にとるようにしましょう。無塩の野菜ジュースやトマトジュースも有効です。


●災害時の血糖コントロール

食事は一度にたくさん食べると血糖値が高くなります。よくかんで、少しずつ回数を分けて食べましょう。また、糖分の多い飲料水は控え、水を飲むようにします。

なお、血糖降下剤を使用するときは、食料不足などで食事量が減っている場合、低血糖にならないように気をつけましょう。


●持病のある人は薬の備えを

高血圧や糖尿病、心臓病などで服薬治療している人は、薬が不足すると命にかかわるので、災害時は必ず薬を持って避難しましょう。とはいえ、災害はいつ起こるかわからないので、持病の薬を3~7日分は用意し、いつも携帯しておくとよいでしょう。非常用の薬は、処方されるたびに新しい薬に取り換え、古くならないようにします。

また、薬と一緒にお薬手帳を携帯しておくことも忘れずに。薬がなくなってもお薬手帳があれば、かかりつけの医療機関や薬局でなくても、同じ薬を出してもらうことができます。なお、スマートフォンアプリで管理できる電子版お薬手帳にするのも便利です。


監修

自治医科大学 教授

苅尾七臣

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