新型コロナ、インフル……実は知らないワクチンのこと
最終編集日:2022/11/24
●おもな種類は、生ワクチンと不活性化ワクチン。コロナワクチンは?
ワクチンにはおもに「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。
生ワクチンには、生きた細菌やウイルスの病原性を弱めたものが入っており、接種されるとからだの中で増えて免疫を働かせます。生ワクチンの例としては、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)があり、飲むワクチンの例としてロタウイルスワクチンがあります。
不活化ワクチンには、病原体を加熱したり、薬剤で殺したりしたもの、または構造の一部だけを集めたものが入っています。免疫を高める物質を加えたり、複数回接種することで、十分に免疫力をつけることができます。例として、インフルエンザワクチンをはじめ、ヒブ、肺炎球菌、四種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ)ワクチンがあります。
さらに、mRNAワクチンは、上記の2つとは異なり、ウイルスの構造の一部の設計図(mRNA)が入っていて、体内でたんばく質をつくらせて免疫を働かせます。新型コロナワクチンで使用されたものは、この種類のワクチンです。
●病気の情報が免疫として記憶され、ウイルスへの対抗手段に
野生の麻疹ウイルスに感染すると、熱や発疹などの症状が出ますが、回復するとおおむね生涯にわたってその病気の情報が体内に記憶(免疫)として残るため、再び麻疹ウイルスに遭遇しても発症することがありません。このしくみを利用したものがワクチンです。麻疹のようなウイルス感染症には治療薬はなく、ワクチンによる予防が唯一の対抗手段となります。麻疹ワクチンには、病原体を弱めたウイルスが入っており、接種によって体内で増えますが、健康な人はその病気を発症せず、免疫のみが残ります。そして、再び麻疹ウイルスに遭遇したときに免疫が動員され、発症せずにやり過ごすことができるのです。
※2022年11月20日時点の内容です。
監修
帝京大学ちば総合医療センター 小児科
菱木はるか
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