肛門痛

最終編集日:2024/1/19

概要

肛門内側(直腸粘膜側)には知覚神経が通っていないため、肛門内側にできた痔は、痛みを感じないのですが、肛門外側(歯状線より皮膚の部分)には知覚神経が通っているため、痛みを感じます。つまり、痛みの有無で痔の位置がわかります。

痔には、痔核(内・外痔核)、裂肛、痔瘻(ろう)の3種類があります。


●痔核

通称「いぼ痔」で、肛門の外側にできる外痔核と内側にできる内痔核に分かれます。

外痔核はうっ血して腫れ、血栓ができると歩行時などに激しい痛みを認めます。

内痔核に痛みはありませんが、うっ血して大きくなり外側に出てしまうと外痔核同様に痛みが出ます。内痔核が外に出てそのまま戻らなくなった状態を嵌頓痔核(かんとんじかく)といいます。

外痔核は座薬や痛み止めなどの薬を使って治療します。

手術を受けることはほとんどありません。

内痔核は自分でなかに戻すと楽になりますが、戻らなくなったり、痛みがひどくなった場合には手術で切除することもあります。


●裂肛

通称「切れ痔」で、便の出口付近の皮膚が切れるため、排便時に焼けるような痛みを感じ、出血することもあります。便秘や硬い便は症状を悪化させるので注意が必要です。軽症なら薬で治療しますが、切れ痔が慢性化した場合は手術をすることもあります。


●痔瘻

肛門の周囲が腫れ、熱感をもった痛みがあるときは肛門周囲膿傷が考えられます。

進行すると痔瘻、通称「あな痔」になります。

肛門周囲の皮膚と直腸をつなぐトンネルができる痔です。

激しい痛みと発熱などが起こることがありますが、膿が出ると症状が楽になります。

症状をくり返すときは、手術が必要です。

受診の目安

救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診

・大量の出血がつづいている

・激しい痛みとともに発熱がつづいている

・裂けるような痛みが排便時以外にもつづいている

医療機関を受診

・トイレットペーパーに血がついていた

・歩いていると違和感や何かが出ている感じがする

・排便時の痛みがつづいている

様子をみる

・お尻がムズムズする

・便秘がつづいて排便時に痛みがときどきある

セルフケア

便秘や下痢を予防するためにも生活習慣を見直しましょう。そして、肛門や肛門周囲の異常を感じたら、恥ずかしがらずに肛門科のある医療機関を受診してください。

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監修

草間かほるクリニック 院長

草間香

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