性機能に障害がある
最終編集日:2024/1/19
概要
男性性機能は性欲、勃起、射精、オルガズムから成り立っています。いずれかに問題が起こると、性交に関与する関心、または能力が障害されて性機能障害をひき起こします。
●性欲低下
性欲は男性ホルモンの濃度、栄養状態、健康、薬剤などの影響を受けます。性欲低下の原因には、過労、ストレス過多、薬剤、肥満、慢性腎臓病、うつ病、糖尿病、高血圧などがあります。
性機能障害のなかで、もっとも多いのが勃起障害で、以前はインポテンツと呼ばれていましたが、最近はED(Erectile Dysfunction)と略語が使われます。具体的にはペニスが十分にかたくならない、腟内へ挿入できない、勃起に時間がかかる、性行為中にやわらかくなる、などを指しています。
おもな原因は加齢ですが、40代からEDになる人がいる半面、70歳を超えても性行為が十分に可能な人もいて、個人差が大きいのも事実です。
EDにはストレス過多や不安感、またうつ症状や神経症など心理・精神面の問題が原因となる「機能性ED」、喫煙、過度の飲酒、糖尿病、高血圧、動脈硬化、脂質異常、神経障害、睡眠時無呼吸症候群、前立腺疾患などが原因となる「器質性ED」、特定の薬剤の服用による「薬剤性ED」に分けられます。
EDの治療には、薬と食事・運動療法が併用されます。治療にはPDE5阻害薬という内服薬が使われ、日本では「バイアグラⓇ」「シアリスⓇ」の2つの製品があります。こうした薬はインターネットなどでも販売されていますが、約半数が偽造品といわれれており、医師から処方された薬を使うことが大切です。
●射精障害
射精障害とは、精液量が減っているか、精液が射出されない状態で、逆行性射精と無射精症があります。逆行性射精は、射精の感覚はあるものの、精液が体外に出ず膀胱内に流れ込んでしまう状態です。糖尿病や前立腺肥大症の手術後、特定の薬剤の影響などで起こります。
無射精症は、射精自体ができない症状です。原因にはオルガズムが得られない無オルガズム症、外傷性損傷、直腸がんや前立腺がんの手術の後遺症、薬剤性などがあります。
●早漏
早漏とは射精が早すぎる状態で、通常は陰茎の挿入前や挿入時、挿入直後に射精が起こります。原因として多いのは、不安や心理的要因、または性的経験が少なく陰茎の皮膚が非常に敏感な場合です。
受診の目安
医療機関を受診
・40歳代なのにEDになることが多い
・射精していない気がする
・前立腺肥大の治療後にEDになった
様子をみる
・過労とストレス過多で性欲が起きない
・最近、早漏気味なことが増えた
セルフケア
ストレスや不安感、うつ症状や神経症など心理・精神面の問題を取り除く努力や喫煙習慣の見直し、原因となる可能性のある疾患(糖尿病、高血圧、前立腺疾患など)の治療を行いましょう。
性欲低下の治療には、ライフスタイルの改善や病気の治療だけでなく、精神面からのサポートが必要になることも多くあります。
考えられる病気
監修
昭和大学病院 泌尿器科 講師
前田佳子
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