見えない領域がある
最終編集日:2024/1/19
概要
目に見える範囲のことを視野といいます。上下にそれぞれ約60度、左右が両目で約150度の範囲が見えるのが一般的です。この視野に見えない領域が生じることがあります。これを視野欠損といい、視野の右半分や左半分などが見えなくなる「半盲」、視野が狭まる「狭窄」、視野のなかに見えない箇所がある「暗点」の3つに分かれます。
視野が欠ける原因は、網膜と視神経の病気ですが、その多くは進行が緩やかなのに加え、両目で物を見るため片方の目の視野に見えない部分が生じていても気づかないことが少なくありません。具体的には緑内障や網膜剥離などがあります。視野が欠けて灰色の部分が見えたらすぐに眼科を受診しましょう。緑内障で失った視野は元には戻りません。放置すると失明の危険性があります。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・視野が欠けて灰色になる
・突然、視野が欠け、視力が低下した
・突然に目の前がほぼ真っ暗になり、10分以上経っても回復しない
・激しい頭痛、手足のしびれなどの症状を伴っている
・視野が欠け、話せなくなった、人が話している内容を理解できない
・物が二重に見える
医療機関を受診
・歩いていて人にぶつかることが増えた
・視野が狭くなった
・視野の周辺から見えなくなった
・視野が不規則に欠けている
・視野の真ん中が見えない
・全体にかすみがかかっているように感じる
・見たいところがぼやける、ゆがんで見える、小さく見える
・中心が暗く見える、物がゆがんで見える、色がわからない
・暗いところで見づらくなる
セルフケア
目の病気だけでなく、脳に何らかの問題が起きている可能性があることも考えられます。突然、視野が欠けて戻らない、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状が起こったときは脳梗塞の疑いがあります。すぐに医療機関を受診してください。受診するのは、眼科ではなく脳神経内科や脳神経外科が適切です。
考えられる病気
監修
井上眼科病院 院長
井上賢治
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