Question

高齢の父の肺がん治療。手術判断に迷う

父の肺に影が見つかり、医師から胸腔鏡下肺部分切除術をすすめられたのですが、手術をすべきか迷っています。からだへの負担の少ない術式のようですが、高齢なのでとても不安です。

女性/50代

2024/08/17

Answer

肺がん治療の選択は、病期や組織型、異常のある遺伝子などにより異なります。手術を行うかは年齢だけでなく、治療への意欲、身体機能、認知機能、心肺機能や採血所見などにより、総合的に判断されます。

病巣を含む肺の一部だけを切除する胸腔鏡下肺部分切除術は、傷が小さく、筋肉や神経、骨組織の損傷も少ない手術方法です。手術後も肺活量を維持し、体力の低下を最小限にとどめることにより、肺炎などの合併症のリスクを抑えることが期待できます。


切除により完治が見込める場合、標準治療は手術となります。しかし、手術ができない場合や、希望しない場合には放射線治療が選択されます。

病変が小さく、リンパ節転移もない場合には、病変に放射線が集中的に当たるように工夫された、定位放射線治療があり、がんの周囲の正常組織への影響を最小限に抑えることで、抗がん剤治療にみられるような全身への副作用はほとんどありません。いずれにしても、治療を受けるメリットやリスク、治療を受けない場合のリスクについても、主治医へよくご相談されることをおすすめいたします。


術後は、筋力や心肺機能の低下、肺炎などを防ぐために歩行訓練や呼吸訓練が早期から開始されますが、入院による体力低下を感じる場合も少なくありません。退院後の生活がご心配な場合には、治療前から、ご本人やご家族、医療スタッフで話しあっておくことが大切です。生活環境の調整のしかたなど、通院中の医療機関の相談窓口、社会福祉士(ソーシャルワーカー)へご相談されるとよいでしょう。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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