胃腸のかぜが赤ちゃんにうつる心配は?
家族が胃腸のかぜにかかったらしく、発熱と下痢、嘔吐の症状が出ています。11か月の赤ちゃんがいるのですが、うつる可能性がありますか。
女性/30代
2022/01/28
ご家族の方に発熱と下痢、嘔吐の症状が現れているのですね。これらの症状は、いわゆる「おなかのかぜ」といわれるものでもみられますが、ウイルスや細菌が原因で起こる感染性胃腸炎でもよく見られる症状です。
小さな赤ちゃんが感染性胃腸炎にかかると症状がつらく、なかには重症化することもあるので、疑わしい症状の方がいる場合は、感染予防が非常に大切です。ここでは、寒い季節に赤ちゃんがかかりやすいノロウイルス感染症とロタウイルス感染症の予防法をお示しします。
○ノロウイルス感染症
ノロウイルス感染症は秋口から春先に流行し、12月~翌年1月がピークになる傾向があります。嘔気、嘔吐、下痢(水様便)が主な症状です。腹痛、頭痛、発熱、悪寒、咽頭痛、倦怠感を伴うこともあります。 通常、2~3日で症状は治まり回復に向かいますが、乳幼児では水分が取れずに脱水症になりやすいので注意が必要です。
経口感染するため、予防には、手洗い、うがいをこまめに、また丁寧に行うことが大切です。感染者の吐物や便を処理する場合は、直接手で触れないように使い捨て手袋を使用します。使用済みのオムツや汚物を拭き取ったペーパーは袋に入れ、口をしっかり閉じて捨てます。床やおもちゃ、調理器具、衣類や寝具などの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
○ロタウイルス感染症
ロタウイルス感染症は年末ごろから感染する人が増え、春先にピークを迎えます。嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、下痢(水様便)などの症状がみられます。便がクリーム色から白っぽくなることがありますが、徐々に普通の色に戻ってきます。回復までには1週間程度かかります。
ロタウイルスも糞便を介する経口感染と考えられているので、予防のためには手洗いをこまめに、丁寧に行うことが大切です。感染者の吐物や便の処理、消毒はノロウイルス感染症と同じ方法で行います。ロタウイルスワクチンの接種も重症化予防に有効です。
なお、ロタウイルスワクチンを接種できる時期は非常に短いため(「ロタリックス」は生後6週~24週までに2回、「ロタテック」は生後6週~32週までに3回の接種を完了)、生後間もないうちに計画する必要があります。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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