Question

新型コロナ感染症の後遺症はどのような症状?

新型コロナウイルス感染症の後遺症はいろいろあるようですが、これまでにわかっていることを教えてください。

女性/20代

2021/12/21

Answer

新型コロナウイルス感染症にかかったあと、コロナウイルスが検出されなくなっても、一部の方の中には倦怠感や嗅覚障害などの症状が持続的にみられることがわかってきました。感染時の症状の有無や年代に関わらず現れ、場合によっては感染から1年経過したあとも症状がみられる場合もあります。

国内において新型コロナウイルス感染症の後遺症の定義はいまだ定まっていませんが、WHOでは「新型コロナウイルス感染症後の症状」について、「新型コロナウイルスに罹患した人に見られ、少なくとも2カ月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかないものである。通常は発症から3カ月経った時点にも見られる。症状には倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり、日常生活に影響することもある。急性期から回復したあとに新たに出現する症状と、急性期から持続する症状がある。また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもある」と定義しています。

厚生労働省が公表している新型コロナウイルス感染症の後遺症に特化した診療手引きの中で、こうした症状を「罹患後(りかんご)症状」と名付けています。


●主な症状

全身症状:倦怠感 ・ 関節痛 ・ 筋肉痛

呼吸器症状 :せき ・ 喀痰 ・ 息切れ ・ 胸痛

精神神経症状 :記憶障害 ・ 集中力低下 ・ 不眠 ・ 頭痛 ・ 抑うつ

その他の症状:嗅覚障害 ・ 味覚障害 ・ 動悸 ・ 下痢 ・ 腹痛・脱毛


これらの症状を1つでも自覚すると、不安や恐怖心が高まり、睡眠障害を伴うこともあります。

これらの症状の原因はいくつかの仮説が提唱されているものの、明確にはわかっていません。治療法も確立されていないことから、それぞれの症状に対する対症療法が中心となります。今後、どの程度長期にわたって症状が持続するかは不明ですが、時間経過とともに発現率が低下する傾向があるといわれています。

最近では、専門外来を設ける医療機関も増えてきました。地域により対応が異なるため、気になる症状が続く場合には、まずはかかりつけ医や保健所などへのご相談をお勧めいたします。

※2022年1月31日時点の内容です。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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