頸肩腕症候群

けいけんわんしょうこうぐん

最終編集日:2023/5/26

概要

うでや肩、首(頸)、背中などの痛みやこり、しびれなどの感覚異常の症候を総称して頸肩腕症候群と呼びます。以前は、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎などの頸肩部に起こる疾患も含んだ症候群でしたが、診断学の発展により、現在では上記の疾患では説明できないものをまとめて頸肩腕症候群と呼んでいます。

パソコンを長時間使う人や、上肢(肩関節から指先)を酷使する保育士、介護職の人などに現れやすい症状ですが、必ずしも職業との関連性があるわけではありません。

原因

明確な診断がつきにくい疾患で、さまざまな原因が考えられます。パソコン入力など、同じ作業をくり返すことによる過労や、長時間同じ姿勢をとりつづけたり、不自然な姿勢で作業したりすることなどのほか、精神的ストレスが影響を与えることもあるといわれています。日常生活においても、育児やスポーツ、スマートフォンの使いすぎなどが原因となることが考えられ、だれもが発症する可能性があります。


〈考えられる原因〉

●パソコン入力などの作業を長時間くり返す

●毎日長時間スマートフォンを利用する

●日常生活での筋肉疲労や姿勢の悪さ

●長時間のデスクワーク

●肩から手の指までのからだの特定の部位を動かしつづける

●日常的にストレスを抱えている(心因性)

●慢性的な肩こりや首のこりがありながら無理をしている

症状

首から肩、うで、肩甲骨周辺にかけて痛みやしびれなどの感覚異常が生じます。手指のしびれが生じることも多く、痛みは軽度のものから強い痛みまで、個人差があります。

一般に頸椎を後方へ反ると痛みが強くなる傾向があり、うがいや薬を飲むなどの動作がしにくくなります。上肢の筋力低下や感覚の障害が生じることも少なくありません。

自律神経失調症の症状や不眠、食欲低下などの心因性の症状が起こる場合もあります。

おもな症状として、首から肩、うで、手指にかけての痛みやこり、しびれに加え、だるさや脱力感、冷感、可動域の制限などが現れます。

検査・診断

問診による生活環境などの情報や診察所見から診断されることがほとんどです。うでや手の痛み、しびれがあり、頸椎を後方へ反らせると症状が増強する場合は、X線検査で頸椎症性変化の有無を診断します。

ほかの疾患と区別するためにCT検査、MRI検査、採血などを行う場合もあります。

治療

頸椎や胸椎、肩甲帯の関節の柔軟性を上げるためのストレッチ、筋肉の張りをとり、神経圧迫や血行不良を改善するためのマッサージや鍼、けん引や電気療法、またよい姿勢を継続するためのおもに腹、背筋を中心とした筋力強化などのリハビリテーションが有効です。とくに痛みやこり、しびれが強い場合、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤、ビタミン剤、漢方薬の投与といった薬物療法も行われます。

セルフケア

療養中

療養中は仕事や日常生活の環境改善を心がけ、原因となる作業や姿勢をとらないことが理想的です。治療期間は状況によって違いがあります。強い痛みなどの症状が治まった後も、生活改善や運動療法などを継続し、痛みが出ないからだと環境をつくることが肝心です。痛みがあっても、それに固執して安静をとりすぎないことも大切です。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

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