悪性黒色腫(メラノーマ)あくせいこくしょくしゅ・めらのーま
最終編集日:2022/1/11
概要
メラノサイトががん化したものが悪性黒色腫です。メラノーマとも呼ばれています。発生原因や発生部位、患者数は人種によって異なります。日本で1年間に新たに悪性黒色腫と診断されるのは10万人に1~2人と、割合的には少なく、希少がんとされています。
皮膚悪性腫瘍のなかで悪性黒色腫は基底細胞がん、有棘細胞がんに次いで3番目に多い皮膚がんです。60~70歳代に多くみられますが、50歳代以下の若い世代でも発症します。
原因
はっきりとした原因は不明です。遺伝、紫外線、外的刺激などが誘因となることがあります。悪性黒色腫は有色人種より白色人種に数倍多く、さらに紫外線の強い地域で多くなっています。
日本人の場合は紫外線が直接当たりにくい部位(足の裏や手のひら、手足の爪)などに多く発生するため、摩擦や外傷など外からの刺激が原因と考えられています。
症状
「形が左右非対称である」「皮膚と病変部の輪郭がギザギザしている」「色むらがある」「直径が6mm以上である」「急激に大きくなっている」、この5つが悪性黒色腫の大きな特徴です。
自分で見える場所、触れることのできる場所に発症していれば発見できますが、早期の場合はふつうのほくろと見分けがつきません。爪に発症した場合には爪に黒褐色の縦のすじが出現し、半年から1年の間に色が濃くなってすじの幅が拡大していきます。進行すると爪が割れることもあります。

検査・診断
診断は、皮膚科医による肉眼での観察、病変を拡大して観察できるダーモスコピー検査、病変部の全部、それが難しい場合は病変部の一部を切りとって病理検査をする皮膚生検などで確定します。さらにリンパ節や内臓などへの転移を調べるために、CT検査、MRI検査、PET検査、超音波検査などの画像検査や、最初にリンパ節転移を起こすと考えられる「センチネルリンパ節」の生検を行うこともあります。
治療
悪性黒色腫は、腫瘍の厚さと表面の潰瘍の有無、ほかの部位への転移などによってがんのステージを分類します。がんが表皮にとどまっていれば0期、転移がないⅠ期とⅡ期、リンパ節や周辺皮膚への転移があるⅢ期、ほかの内臓への遠隔転移があるⅣ期に分かれます。その分類によって手術療法、薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など)、放射線療法などを組みあわせた治療が行われます。
セルフケア
予防
鏡を使ってからだの側面や背中、おしりも含め、手のひら、足の裏などにほくろのようなものができていないか、定期的にチェックしましょう。少しでも気になるほくろがあったら皮膚科を受診しましょう。
監修
関東中央病院 皮膚科 部長
鑑慎司