【重要なお知らせ】2026年4月より契約団体専用サービスに移行します。詳細はこちら

深部静脈血栓症
しんぶじょうみゃくけっせんしょう

最終編集日:2025/12/26

概要

下肢の深部にある深在静脈に血の塊(血栓)ができ、血流の停滞が起きることで、足の腫れや痛みが生じる病気です。深部静脈血栓症の怖い合併症として、エコノミークラス症候群(肺塞栓症)があります。これは、足にできた血栓がはがれて肺の血管に詰まることで生じる病気です。治療は、抗凝固療法や血栓溶解療法、カテーテルによるフィルターの留置などが行われます。

原因

長時間、同じ姿勢でいたり(長時間の飛行機搭乗やデスクワークなど)、骨折時のギプス固定や麻痺などで長時間足を動かせないなど、血流が停滞する環境をつくることや、脱水や悪性腫瘍の治療中といった血栓が体内でできやすい状態になることで、血栓が生じます。

深部静脈血栓症
深部静脈血栓症

症状

下肢の急激なむくみ、痛みや熱感、発赤などが現れます。うっ血が進むと、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼとともに強い痛みが現れる場合があり、その時点で適切な治療を行わないと、その後も慢性的なむくみや下肢の倦怠感、静脈瘤などの静脈血栓後症候群に悩まされることになります。また、血栓が心臓を介して肺動脈に入り込むと肺塞栓症を引き起こし、命にかかわる場合もあります。

検査・診断

血液検査によるD-dimer測定、超音波検査や造影CT検査といった画像検査をもとに診断されます。

治療

症状をみながら必要に応じて、抗凝固療法、血栓溶解療法、カテーテル治療、外科療法、下大静脈フィルター留置術といった治療法から選ばれます。一度発症すると、予防のために長期的に抗凝固薬を服用することもあります。

セルフケア

療養中

すでに深部静脈血栓症を発症している場合、ふくらはぎのマッサージをすることで脚部にとどまっていた血栓が移動し、肺などに流れるのを促してしまうことがあるため、絶対に行わないようにしましょう。

病後

ほかの病気で手術を受けた場合、術後は血液中の凝固因子が増加し、血液が固まりやすい状態にあります。ベッドに横になったままの状態が続くと深部静脈血栓症を発症する危険があるため、寝たままの状態を避け、できるだけ早期に体を動かす工夫をしましょう。

予防

長時間同じ姿勢で過ごしたり、極端に運動量が少ない状態が続くと、深部静脈血栓症のリスクが高まります。長距離移動や長時間同じ姿勢で作業する際は、時間を決めて足の屈伸運動をしたり、トイレに立つなど、体を動かすようにしましょう。また、肥満や高齢の方は、散歩程度でもいいので、日常的に運動して足の筋肉を使うことを心がけましょう。

ふくらはぎが腫れている、痛い、だるいなどの症状がある場合は、深部静脈血栓症を発症している可能性があります。自己判断でのマッサージは危険ですので、控えましょう。

Xで送る
LINEで送る
Facebookで送る
URLをコピー

監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター副院長 循環器内科

福井和樹