低用量ピル服用による血栓症が心配

血栓症とは、何かの原因で血の固まりができて、静脈や動脈の血管が詰まっている状態です。静脈の血栓は深部静脈血栓症といって、足の深部にある深在静脈で炎症が起こり、おもに太もも、ひざなどの下肢に発症することがあります。

長時間同じ姿勢でいる（長時間の飛行機搭乗やデスクワークなど）、骨折時のギプス固定や麻痺などで長時間足を動かせない、悪性腫瘍の治療中といった環境下では、深部静脈血栓症の発症リスクが高まります。

症状としては、下肢の急激なむくみ、痛み、熱感、発赤などがみられます。うっ血が進むと、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼとともに強い痛みが起こる場合があります。下肢の急激なむくみ、痛みや熱感などの症状がある場合は、超音波や造影CTなどの画像検査を行って診断する必要があります。このため、下肢の急激なむくみや痛み、熱感などの症状がある場合は、血管外科、心臓血管外科、循環器内科への受診がすすめられます。

動脈の血栓も心臓の血管などを詰まらせる場合があり、同様の診療科で診てもらうことができます。

ご相談者の場合、まずは低用量ピルを処方された婦人科にご相談されることをおすすめします。状況をよく理解してもらうためにも、受診の際には、「いつから」「どんなふうに」「どの程度」「どのくらいの間にどのくらいの時間続くか」「どのような状況で」「症状を軽くまたは悪くするような状況はあるか」「主症状に伴う別の症状があるか」などを伝えるといいでしょう。状況に応じて、必要であれば専門の診療科を紹介してもらえると思います。