親の物忘れが気になったら
最終編集日:2023/12/28
年末年始に久しぶりに遠方で暮らす親に会うという人もいることでしょう。親が年を重ねていくと、気がかりになってくるのが認知症です。久しぶりに会った親が物忘れを頻繁にくり返していたら、病気ではないかと心配になるでしょう。
しかし、年齢とともに物忘れが増えるのはごく自然なことです。たとえ健康な若い人でも、疲れているときやストレスを抱えているとき、忙しいときは物忘れが多くなります。集中力がなくなったり忘れっぽくなったりして、複数のことを同時にこなせなくなるといった場合は、心とからだの疲労のサインでもあるのです。したがって、物忘れがあっても認知症ということではありません。
年末年始に家族を迎えようと、張り切りすぎて疲れ気味なのかもしれません。いつもと違う生活リズムで頑張りすぎていることが原因ということも考えられます。もしも、親にそのような様子がみられたら、無理をしないように声をかけるとよいでしょう。
日常的な物忘れの対策としては、心身の健康を保ち、常に脳を刺激することが大切です。十分な睡眠と規則正しい栄養バランスのとれた食事、ストレスを発散することのほか、血圧や血糖値、体重を適切に保つことも心がけたいポイントです。加えて、からだを動かす習慣を持つこと、会話をすること、脳を刺激するような機会を持つことも大切でしょう。毎日刺激の少ない生活の繰り返しだけでは、物忘れや認知症の進行を進める可能性があります。
しかし、次のような物忘れには、病気が潜んでいることもあります。
ヒントを与えられても思い出せない、体験したこと自体を忘れている、場所や時間の認識がおかしい、日常的に周囲から間違いを指摘されている、生活に支障が生じているようなときは、かかりつけ医に相談するか、物忘れ外来・認知症外来などで専門医に相談することをおすすめします。
監修
保健同人フロンティアメディカルチーム
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