AGAの治療とセルフケア
最終編集日:2024/11/11
冬は、寒さで頭皮の血行が悪くなるうえ、乾燥によって抜け毛が増えるといわれています。薄毛や抜け毛を気にする人は少なくありませんが、原因はAGAなどの脱毛症、生活習慣の乱れ、ストレスなどさまざま。しかも、対処法は原因によって異なります。
●AGAは男性特有の進行性の脱毛症
AGA(Androgenetic Alopeciaの略)は、思春期以降からだんだんと進行していく男性特有の脱毛症で、男性ホルモンが大きく関係しています。男性ホルモンの一種であるテストステロンは、毛根にある5αリダクターゼという酵素と結合することで、ジヒトロテストステロン(dihydrotestosterone; DHT)というホルモンに変わります。このDHTには頭髪の成長を抑制する働きがあり、これによってAGAが起こります。
AGAになると、髪の成長が止まってしまうため、産毛のような状態から髪が抜け落ちてしまいます。AGAは進行性の病気なので、そのまま放置すると前頭部と頭頂部の毛髪が細く短くなり、最終的には額の生え際が後退して、頭頂部の毛髪がなくなります。
抜け毛・薄毛の進行を防ぐには、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を行うことが大切です。
●AGAの治療
治療は、ミノキシジル(塗り薬)、フィナステリドやザガーロ(内服薬)などの薬物療法が一般的です。ミノキシジルは、元は高血圧治療に使われた薬で、血管拡張作用があるため、頭皮の血流をよくして髪の毛の成長を助ける発毛効果が期待できます。フィナステリドをはじめとする内服薬は、ジヒトロテストステロン(DHT)の働きを抑制してAGAの進行を止める脱毛抑制効果が期待できます。
●薄毛・抜け毛のセルフケア
薄毛・抜け毛は、毎日のセルフケアによって、予防や改善することが可能です。
(食生活の改善)
栄養不足は、抜け毛や薄毛を引き起こします。髪のためにも栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特に、毛髪の主成分であるケラチンの生成に必要なたんぱく質を多く含む肉、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆製品などは、しっかりとることがポイント。髪の健康維持には亜鉛や鉄分などのミネラルも重要です。亜鉛はカキや牛肉、豚レバーなどに、鉄分はレバー、カツオ、アサリなどに含まれています。このほか、髪の成長に必要なビタミンをさまざまな食品からとるようにしましょう。
(節酒)
多量飲酒は、髪の成長を妨げたり、頭皮環境を悪化させたりする可能性があります。日頃から節酒を心がけましょう。
(禁煙)
医学調査から、一度も喫煙経験がない人と比べて、喫煙経験がある人のほうが約1.8倍AGAになりやすいことが報告されています。髪のためにも禁煙しましょう。
(ストレス解消)
ストレスで自律神経のバランスが乱れると、頭皮の血行にも悪影響を及ぼします。旅行や料理、運動など、自分なりのストレス解消法を見つけて実行しましょう。
(ヘアケア)
頭皮の血流をよくするために、シャンプーをするときは爪を立てず、指の腹でマッサージをするようにして洗いましょう。強く頭皮を刺激する洗い方や、過剰なシャンプーは頭皮にダメージを与えるので避けましょう。
監修
成増駅前かわい皮膚科 院長
河合 徹
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