冬だからこそ気になる腋臭(わきが) ~新しい薬も登場

最終編集日:2022/12/19

●冬でも汗のにおいが気になる理由


汗をたくさんかく夏に比べ、冬は汗の量は減りますが、寒い屋外から暖かい室内に入ったときや暖房が利いた電車内にいるとき、屋内でアウターを脱いだ際などに、汗臭さを自覚したことのある方もいるのではないでしょうか。汗やにおい対策に敏感な夏ではなく、むしろ冬だからこそ注意すべきポイントがあります。というのも汗をかく量が少なく、水分補給も少なくなりがちな冬は、発汗時に体内の老廃物などが濃く出るため、それがにおいの原因物質となって汗のにおいが強くなるという事情があるためです。


●冬の汗は着こなしの工夫も有効


冬ならではの環境を考慮した対策が有効な場合があります。例えば服装の工夫です。多汗症の方は冬でも速乾性の高い下着を着ていることがありますが、こうした機能性の高い下着は、汗やにおい対策に有効です。また、汗を飛ばすだけでは寒くなるため、アウターに防水透湿性のある素材でできた、冷気や風をブロックして保温効果を保つものを組み合わせると快適さが増すでしょう。山登りやアウトドアのスポーツウェアのような、汗はすぐ乾くけれど、熱は外に逃がさないような機能のある着こなしを工夫するということです。

その他の生活面では、適度な運動によって汗をかく機会をもつ、緊張性発汗を促すストレスを抑制する、腋臭の元になるアポクリン汗腺に影響をおよぼす食事(動物性脂肪や脂肪酸を含む肉類や脂質の多い食べ物など)を控えるなどの工夫がすすめられます。


●それでも気になる……受診を思い立ったら


それでも汗やにおいが気になり、受診を検討される場合は、どこまでの治療を望むかによって病院を選ぶことが重要です。

汗やにおいをある程度抑えたい、という場合なら、ほとんどの皮膚科で、おもに多汗症の患者さんに処方される薬があります。この1~2年で出てきたのが、抗コリン薬のソフピロニウム臭化物ゲルのゲル剤、さらにこの1年以内に登場したのがグリコピロニウムトシル酸塩水和物という抗コリン剤の液体を不織布に染み込ませたもので、これでわきの下を拭き、発汗を抑えます。飲み薬では、プロパンテリン臭化物という抗コリン薬が多汗症の保険診療に認められています。全身的な多汗症に悩む方にはたまに処方しますが、のどが渇くなどの副作用があります。ほか、古くからある治療法がA型ボツリヌス毒素の注射で、アポクリン汗腺に作用して発汗を抑制する治療法です。

さらに進んだ治療法となると、皮膚の一部を切除する外科的な治療法やマイクロ波を用いたものがありますが、この領域は、形成外科や美容外科の範囲となります。

監修

関東中央病院 皮膚科 部長

鑑 慎司

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