ワキガの効果的な対策は?
今、高校生の息子は遺伝性のワキガです。高校卒業後の就職や進学を、体臭のために決めかねている状態です。スプレーや塗り薬もあまり効果なしでした。脇の徐毛は効果的でしょうか? 親としては、逆効果ならかわいそうなので実例があれば知りたいです。受診しようにも経済的な面で難しく、今はレスタミン配合の固形石けんで朝・晩洗っています。香りではごまかせないばかりか、逆効果に。限界はあるとは思いますが、軽減策があれば知りたいです。
女性/40代
2022/01/28
高校生の息子さんが、ワキガのことで進路を決めかねているとのこと。ご自身で改善を図る方法についてのご相談をいただきました。からだの臭いはデリケートなことですし、思春期であればなおのことご負担が大きいこととお察しします。
今回は、ワキガの対策についてご説明させていただきます。
人の汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、アポクリン腺は腋窩(えきか:わきの下)や外陰部にあります。ワキガは、アポクリン腺が分泌する汗の中の脂肪酸が皮膚の表面の常在細菌によって分解されて臭いが発生するといわれています。思春期以降は性ホルモンの影響でアポクリン腺の機能が活発になるので分泌が多く、臭いも強くなります。一般的にワキガがある方のアポクリン腺は大きく、数や分泌の量も多い傾向があります。
対処方法の基本は、皮膚表面の細菌を減らすことです。まずは、洗浄などで清潔を保つこと。汗を長時間放置すると皮膚の常在細菌が繁殖してしまい、臭いも強くなるため、できる限りまめにシャワーや入浴で洗い流しましょう。また、わき毛は発汗を促し、細菌が増える要因になるため、一般的にわき毛を処理することがすすめられます。
治療としては、まず腋窩に殺菌製剤や制汗剤などを直接塗る薬物療法を行います。塩化アルミニウムを腋窩に直接塗る治療方法は、発汗と細菌の繁殖を抑えて腋臭を抑制する効果が期待できます。継続することが必要で、効果を得るためには皮膚を清潔にしたうえで薬剤を使用することも大切です。殺菌製剤や制汗剤は市販されており、薬局などでも購入可能なのでセルフケアが可能です。
セルフケアで期待する効果が得られない場合は、皮膚科や形成外科を受診し、診察・治療を受けましょう。薬剤による治療のほか、一時的ですがボツリヌス毒素の皮下注射も効果が期待できます。これらの保存的治療で満足のいく効果が得られない場合は、手術療法による根本的な治療を検討します。手術治療はアポクリン汗腺を外科的に切除する方法のほか、レーザーを用いる場合もあります。
息子さんは、現在はセルフケアで対処されているようなので、皮膚科や形成外科を受診され、診察を受けたうえで治療についてご相談されてはいかがでしょう。
ワキガは保険の適用にならない自由診療も選択肢としてあり、保険診療内で治療が可能かどうかは医師の診察で判断されるので、治療についての相談の際に希望を明確に医師に伝えるようにしましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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