Question

受診後も自分の体臭に悩んでいる

職場の同僚の反応をきっかけに、ここ半年ほど自分の体臭に悩んでいます。当初はわきがではないかと思い、家族に相談しましたがよくわからないとのこと。皮膚科でもにおいはあまり気にならない程度といわれ、外用薬や飲み薬が処方されました。処方薬で汗は止まりましたが、同僚の反応はあまり変わりません。日常ではこまめに汗を拭きとるなどのセルフケアも続けています。ほかに対策が考えられますか?

男性/30代

2023/05/21

Answer

一般に、体臭の原因の多くは腋臭症(わきが)によるものです。人の汗腺にはエクリン腺とアポクリン線と呼ばれる2種類があり、ほぼ全身に分布するエクリン腺は温熱刺激や精神的緊張によって発汗します。アポクリン腺はわきの下や外陰部にあり、思春期以降は性ホルモンの影響で分泌が多くなるのが特徴です。このため思春期から40歳くらいにかけては特にアポクリン腺の影響によるにおいが気になることがありますが、通常は年齢とともに徐々に減少していくといわれています。一般的にアポクリン線から分泌されるわきの下の汗は、直後はにおわないものの、分泌から時間が経つと汗の成分である脂肪酸が皮膚表面の常在菌によって分解されにおいが強くなります。また、冬よりも夏ににおいが強くなる傾向があるようです。


一般的には、わきの下を石けんでよく洗い流し、毎日シャツを替え、スポーツの後はからだを洗って下着を取り替えることなどによって、ほとんどのにおいは対処できるといわれます。朝、臭気止めの殺菌外用剤を塗っておくことも有効です。


わきがや体臭の悩みは皮膚科の診療領域となります。症状が強く、人との接遇など日常生活に支障がある場合には、医師と相談して薬の処方や注射などの治療を行うほか、場合によっては手術も適応となります。ただし、刺激の強いにおいが特徴のわきがについて、においを気にするかどうかには大きな個人差があります。

また、わきがに悩んで皮膚科を受診したものの、実際には発汗量の多さに由来する体臭が原因で、わきがではない患者さんも少なくないようです。通常、わきががある場合の症状は、刺激の強いにおいが特徴ですが、そのにおいを気にするかは個人差や人種によっても違いがあり、幅があるものです。実際に皮膚科で診察を受けると、わきがではなく、発汗が多いこと、発汗が多く、わきのにおいが通常以上に生じることはありますが、わきがにみられる刺激の強いにおいではないことが多いようです。

自分でわきがだと思って悩む人のなかには、実際にわきがの人は少ない、との印象を持つ皮膚科医もいます。


いずれにせよ、入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つ、わきの下を石けんでよく洗う、こまめにシャツや下着を替える、スポーツの後はからだを洗って汗を流すといった発汗後のセルフケアによって、ほとんどのにおいは対処できるといわれています。わきの下に臭気止め効果のある殺菌外用剤(制汗剤)を塗るのも有効です。


ご相談者は皮膚科にかかり、また家族への相談やセルフケアにも取り組んでいる様子ですね。引き続き、日常生活に支障がないくらいのセルフケアや、医師の指導のもとで経過をみられてはいかがかと思います。もし気になるようであれば、セルフケアの方法も主治医とご相談なさってくださいね。ただ気がかりなのは、同僚の反応をきっかけに自身のにおいではないかと思った点です。ご相談者以外の要因による反応という可能性も考えられることと思います。客観的な医師の診察や、信頼のおける身近な人の声にも耳を傾けながら過ごせるとよいですね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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