乳腺のう胞は悪性化する?
乳がん検診の乳房超音波(エコー)検査で「乳腺のう胞の疑い。1年後観察」ということでした。しかし、1年後までに悪性になる可能性はないかと心配です。
女性/20代
2023/11/06
乳腺のう胞は、乳腺症の一種で、乳腺が詰まることで分泌物がたまって袋状になり、大きくなった良性の腫瘤(しこり)です。大きなものでは10cmになるものもあり、単発のこともあれば多発することもあります。小さなものでは自然に消失することもありますが、大きなものは針を刺して内容を除去するなどの処置を行う場合もあります。
悪性化については基本的に、のう胞自体はがん化しません。しかし、乳腺のう胞や乳腺線維腺腫などの良性乳腺疾患にかかったことがある(かかっている)ことは、乳がんのリスク因子に挙げられています。のう胞ができやすい状態は、がんができやすいという報告もあるようです。このようなことから、のう胞などの良性の腫瘤がみられた場合は、その後、定期検査を続けて、のう胞の状態とほかにがんなどが発生していないか経過をみていくことが大切とされています。
また、のう胞が数mm程度で小さい場合、超音波検査でがんとの鑑別が難しい場合もあります。その際には超音波で画像をみながら、のう胞に針を指して組織を採取し、病理検査を行うこともあります。
ご相談者は1年後の定期検査の指示があるので、恐らくがんである可能性は低いものと考えられます。心配なようでしたら、今回の乳がん検診結果を持って、最寄りの乳腺外科や外科の医師へ相談されると、より安心して経過をみるなどの対処ができるのではないかと考えます。
最後に、乳がん予防の生活習慣について根拠のある情報としては、肥満の予防、適度な飲酒(過度の飲酒はリスクを高める)、1日100g程度の大豆製品の摂取(ただし、イソフラボンなどのサプリメント摂取の効果は証明されていない)、禁煙、適度な運動、糖尿病の予防などが示されています。ご相談者も、医師の指示通りの経過観察を続けながら、これらを実践し、乳がんの予防に努めてください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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