空気の乾燥による、からだのつらいかゆみ
空気が乾燥するせいか、秋から冬には毎年、からだのあちこちがかゆくなり、保湿クリームが手放せません。特に腰まわりのほか、腕やすね、かかとなどがかゆいです。どうしたらよいでしょうか?
女性/30代
2023/10/23
皮膚のかゆみの原因はさまざまですが、一般に秋から冬に多くみられるのは、空気の乾燥によるものです。表皮に出てくる脂肪(皮脂)が少なくなり、赤みはなくても皮膚が乾燥し、かゆみが引き起こされます。乾皮症や皮膚掻痒症などと呼ばれるものもあります。
かき壊すなどして表皮のバリア機能を失うと、赤みだけでなく、丘疹(ブツブツ)、水疱、かさぶた、鱗屑(カサカサしてむける)や色素の沈着などが起きることもあります。
家庭での対処としては、皮膚への刺激をできるだけ減らし、症状に合った保湿剤などで皮膚を守ること。例えば、入浴時に刺激の強いナイロンや麻などのタオルは使用せず、石けんは十分に洗い流す、長湯や熱い風呂を避け、入浴のあとすぐに保湿クリームなどを塗ります。かゆみを感じたら、かかずにぬれタオルで冷やすなどしてかゆみを逃がします。
一方、季節を問わず皮膚への急な冷却刺激によって、寒冷じんましんが起きる人もいます。この場合はからだを冷やさず、むしろ温めることが必要となります。
また、腰まわりや腹、背中などのかゆみは、アトピー性皮膚炎の場合もあります。アトピーがある方は、これらの部位に発疹が出ることがあります。さらに、下着など衣類の処理剤(柔軟剤や洗剤、染料など)への反応、いわゆるかぶれがないかも要チェックです。腎臓や肝臓、糖尿病などの内臓の問題が隠れていたり、内服薬なども原因になっていたりすることもあります。
かくと悪化するため、症状が続く場合は、皮膚科の受診をおすすめします。医師に、いつからどのような症状や経過かを詳しくお知らせください。かゆみを抑える抗ヒスタミン薬をはじめ、原因に即した内服薬や塗布剤の処方、または生活指導などを受けて実行することが改善の早道となるでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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