腋臭症

えきしゅうしょう

最終編集日:2023/3/27

概要

腋臭症とは「わきが」とも呼ばれ、発汗によってわきの下(腋窩:えきか)から独特な強いにおいが発生する状態をいいます。汗を分泌する汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があり、このうちアポクリン汗腺から分泌される汗が腋臭症の原因となります。発生頻度は10人に1人程度で、日本人には少ないとされています。男女差をくらべるとやや女性に多くみられます。通常、わき毛の生え始める思春期頃から発症し、高齢になれば症状は減退していきます。優性遺伝によって遺伝し、軟らかく湿った耳垢(じこう)や腋窩多汗症の体質の人に多くみられます。

原因

汗には体温調節を行うためのエクリン汗腺の汗と、冷や汗などの精神的な発汗を行うアポクリン汗腺の汗があります。このうち腋臭症の原因となるのは、アポクリン汗腺から分泌された汗です。アポクリン汗腺から分泌される汗にはたんぱく質や脂質などの有機酸が含まれており、それがわきに存在する常在菌により分解されることで、特有のにおいが発生します。

また、腋臭症は優性遺伝によって引き継がれるため、両親あるいはそのどちらかが腋臭症だと、子どもにその体質が遺伝し、発症する可能性が高くなります。

症状

腋臭症では、汗をかいたときなどにわきの下から独特の刺激臭が発生します。

においの程度は、年齢によって変化し、第二次性徴を迎える思春期頃に発症し、20代にピークを迎えます。女性では月経前や月経時に強くなる傾向があり、また、動物性脂肪や脂肪酸を含む肉類や脂質の多い食べ物のとりすぎによる皮脂分泌の増加によっても、においが強くなります。

このほか、アポクリン汗腺は耳のなか、腋窩、乳輪、陰部などに分布するため、耳垢が湿っていたり、腋窩多汗症を合併したりするケースが多くみられます。また、アポクリン汗腺から出る汗には、たんぱく質や脂質、糖質、鉄分、アンモニアなどといったさまざまな物質が含まれるため、シャツなどのわきの下の部分に黄色いシミが残ることがあります。

検査・診断

腋臭症の診断は、わきに数分間ガーゼなどを挟んで汗を回収し、第三者(医師・看護師など)がにおいをかいで評価し、自覚症状などの問診とあわせて総合的に行います。

治療

腋臭症の治療では、軽症の場合、まず不規則な生活や飲酒、喫煙習慣などの見直しを行います。さらに汗をこまめに拭き取って清潔にし、市販の制汗剤を使用したりすることで、ある程度においを減らすことができます。

また、腋窩多汗症に対する医療用のボツリヌス毒素の局所注射や、塩化アルミニウム溶液、ソフピロニウム臭化物ゲル、グリコピロニウムトシル酸塩水和物の外用も有用です。ただし、効果は一時的で、根本的な治療にはなりません。においが強く重症の場合は、手術を行うことがあります。アポクリン汗腺がある皮下組織を切除する皮下剪除法(ひかせんじょほう)が一般的です。

ほかにも超音波吸引装置や、特殊な切除用の治療機器、マイクロ波による治療も行われ、一定の効果があると報告されています。

セルフケア

予防

日常生活で次のようなことに気をつけることでにおいを減らすことができます。

・毎日入浴をする

・汗をかいた後はすぐにシャワーを浴びる

・こまめにわき汗を拭く

・制汗剤や殺菌剤、消臭剤を使用する

・わきが乾燥しやすい衣服を選ぶ

・下着や汗パッドをこまめに取り替える

・わきの毛をそる

監修

関東中央病院 皮膚科 部長

鑑慎司

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