Question

鼻水が止まらず、よく後鼻漏になる

鼻水が止まらず、よく後鼻漏を起こします。たとえば、季節の変わり目など、体温調節がむずかしく厚着をして汗をかくと、からだが冷え、さらに鼻水が出てしまいます。それがのどに流れて後鼻漏となります。どうしたら防ぐことができるのでしょうか

女性/40代

2022/05/31

Answer

後鼻漏とは、鼻水が鼻の穴ではなく、のどに流れる症状のことをいいます。鼻水は、吸った空気の加湿と保温、空気中のほこりやごみを吸着することで、気管や肺に入ることを防ぐ役割があります。健康なからだでも常につくられ、無意識のうちに飲み込んでいます。この鼻水の分泌量が多くなったり、粘り気が増えたりすると、のどに流れる症状として自覚されます。


後鼻漏の特徴的な症状は、のどの奥の不快感です。のどの後方に粘りの強いはな水が張りついて、不快な症状が現れます。ほかにも、たんがのどに張りついたり、たんが絡んだせきなどの症状が起こることもあります。後鼻漏の原因は、かぜ、慢性副鼻腔炎(蓄膿症:ちくのうしょう)、アレルギー性鼻炎、加齢などがあります。病気によって、鼻水が多くなる、鼻水がネバネバした状態になる、繊毛(せんもう)による鼻のなかに侵入した異物を取り除く機能が低下することなどで、後鼻漏が起こりやすくなります。


後鼻漏の診断と治療は、おもに耳鼻咽喉科で行います。代表的な原因の1つである副鼻腔炎が考えられる場合は、X線検査やCT検査で患部や程度を確認します。アレルギー性鼻炎の疑いがあれば、血液検査でアレルゲンについて調べることもあります。また、病気の状態をくわしく知るためには内視鏡検査を行い、後鼻漏の有無やその程度、のどの状態などを調べることもあります。そのほか、原因として疑われる疾患に対する検査を行います。


後鼻漏は、原因となる病気を治療することで症状の改善が期待できます。副鼻腔炎が原因の場合は抗生剤や去痰(きょたん)剤の使用、アレルギー性鼻炎が原因の場合はアレルギー薬や抗ヒスタミン剤が有効です。ステロイドのネブライザーが効果的なこともあります。原因がはっきりしない場合や加齢に伴う症状であれば、セルフケアを中心に行います。日常生活でできるセルフケアとしては、適度な湿度を保つことが大切です。日頃からマスクを着用することで、鼻を保湿、保温することができます。また、こまめに水分をとり、鼻水の水気を増やすことで、鼻水が排出されやすくなります。


冷えやのぼせが原因で、鼻水が出やすくなる場合もあるようですが、後鼻漏の原因には、ほかの病気が隠れている場合もあります。長期間、後鼻漏の症状に悩まされているときは、一度、耳鼻咽喉科を受診し、原因や治療について相談することをおすすめします。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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