Question

乳がん検診で指摘された「乳腺の石灰化」とは

乳がん検診で乳腺に石灰化があるとの結果でした。どういう状態なのでしょうか?

女性/40代

2022/01/28

Answer

乳がん検診で行われるX線を用いたマンモグラフィ検査は、視触診だけでは発見できないしこりや石灰化のある小さな乳がんを発見できます。

乳腺の石灰化とは、何らかの原因によりカルシウムが乳房の一部に沈着した状態を指します。カルシウムは、細胞が死んだ後の残骸や硬化した血管などに多く含まれます。

カルシウムは、レントゲン写真上では、白く写り、乳腺、脂肪、筋肉などに比べて目立ちます。マンモグラフィ上では、真っ白な砂粒のような影として見えます。

石灰化の大半は良性の病変(線維腺腫、乳腺症など)にともなって起こりますが、乳がんにともなうこともあります。良性病変か乳がんかは、石灰化の1つ1つの形や並び方で多くは判定できます。

完全に良性の石灰化と判断できない場合は、6か月から1年後にマンモグラフィを中心とした検査でフォローアップが必要な場合もあります。また、がんによる石灰化が疑われる場合には、針生検や、マンモトーム生検などで詳しく調べる必要があります。

最終的に所見の悪性度を評価する基準として、5段階のカテゴリー分類が用いられています。


◇マンモグラフィガイドラインのカテゴリー分類

カテゴリー1:異常なし

カテゴリー2:良性(石灰化した線維腺腫により影響等、明らかに良性であると判定できる所見)

カテゴリー3:良性、しかし悪性を否定できず(良性の可能性が高いが、悪性も否定できない所見で、超音波検査等の追加検査を検討)

カテゴリー4:悪性の疑い(悪性の疑いがある所見で、他の詳しい検査が必要)

カテゴリー5:悪性(ほぼ乳がんと考えられる病変があり、更なる検査が必要)

◇石灰化の良性と悪性

良性の石灰化:悪性のものに比べて粗大な傾向にあり、平らな辺縁をもった円形をしており、観察しやすい。皮膚や血管等の生理的なものや、良性腫瘍である線維腺腫や乳管拡張症にともなうもの等がある。

悪性の石灰化:細かい石灰化、たとえば粒様にみえる砂粒状石灰化や細い線の微細線状石灰化では悪性が強く疑われる。通常、非常に小さいので、詳しく観察するために拡大鏡の使用が必要である。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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