鼻の機能と花粉症が発症するメカニズム
花粉症に対する鼻の機能と発症機序(生理学的側面)を教えてください。
男性/40代
2022/01/28
鼻の機能は、呼吸する空気の加温、加湿、防塵です。空気を清浄化し、その空気をより繊細な粘膜を持っている肺に送り込む役目があるため、線毛という小さな突起と、それを覆う鼻汁(粘液と漿液)を表面に持っています。
花粉が鼻粘膜から入ると、表面の薄い粘液の鼻汁の層に花粉を吸着させ、吸った空気から花粉を除きます。表面についた花粉は鼻の粘膜の上皮細胞にある線毛がベルトコンベアのように働くことにより、鼻の外に運び出されます。運び出されなかった花粉は鼻の粘膜に付着し、抗原成分が鼻粘膜に浸透していきます。
鼻の粘膜の中には、通常、肥満細胞と呼ばれる体を外敵から守る細胞があります。花粉症を引き起こす抗体であるIgE抗体がその細胞のまわりに集まり、溶け出した花粉の抗原成分をとらえて結合し、細胞内へのカルシウムの流入を経て、肥満細胞が活性化して反応を生じます。
この反応によって放出されたヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が、鼻粘膜の表面の神経を刺激し、くしゃみの中枢へその刺激を導き、くしゃみを起こします。くしゃみの大もとである三叉神経の刺激が起こると、反射的に粘膜腺という組織から鼻汁の分泌が起こります。
また、放出されたヒスタミン、ロイコトリエンは、直接静脈を中心とした血管をそれぞれの受容体を介して刺激し、鼻づまり(鼻閉)の症状を引き起こします。
抗原である花粉との出会いが繰り返され、花粉症の症状が強まると、鼻粘膜では肥満細胞以外の炎症細胞(特に好酸球)も多くなり、好酸球の持つたんぱくが上皮細胞を障害して、粘膜の過敏状態を引き起こすとされています。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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