脳挫傷
のうざしょう

最終編集日:2023/6/2

概要

交通事故や転落などにより、頭部へ強い衝撃が加わることで、脳に損傷を受けた状態が脳挫傷です。脳には腫れや出血が現れますが、症状は損傷の程度と部位によって変わります。衝撃による損傷が軽い場合には、ほとんど症状を自覚しないケースもありますが、嘔吐や意識障害、けいれんなどが起こることもあります。重症の場合は後遺症が残ったり、死に至ったりすることもあるため、できるだけ早い治療の開始が必要です。

原因

頭部へ強い衝撃が加わることが原因です。同じような原因で起こる脳震盪(のうしんとう)より、重い状態です。

症状

脳内の腫れや出血のため、頭痛、吐き気、嘔吐などが起こります。損傷の程度によっては、めまい、意識障害、けいれんなど、さらに損傷部位によっては言語障害、運動麻痺、感覚障害などが発生し、回復しても記憶力や判断力の低下などの高次脳機能障害が起こることもあります。重症になると脳が圧迫されて脳ヘルニアを起こし、死亡することもあります。

検査・診断

外傷を負っていることが多いため、まず頭部CT検査を行い、脳内の状態を確認します。さらに症状をくわしく確認するため、頭部MRI検査を行うこともあります。

治療

衝撃による損傷そのものを治すことはできないため、脳内の腫れ(浮腫)や出血に対する治療が行われます。治療は手術、薬による治療に加えてリハビリテーションが行われることもあります。また、外傷性のてんかんを発症した場合は、発作を抑える抗てんかん薬の服用を行います。

セルフケア

療養中

脳挫傷の場合、意識が回復してくると、会話ができない、手足の動きが悪いなどの症状に気づきます。徐々に回復していきますが、高次脳機能に障害が残ることもあります。そのため早期からのリハビリテーションがとくに重要です。手足の麻痺などへのリハビリだけでなく、高次脳機能障害に対しても取り組みましょう。高次脳機能障害はゆっくりと改善していくことが多く、失われた機能があっても焦らずリハビリをつづけていくことが大切です。

監修

昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授

藤本司

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