膀胱がん

ぼうこうがん

最終編集日:2022/1/11

概要

膀胱は尿をためる袋状の臓器で、筋肉組織である壁の内側は移行(尿路)上皮という粘膜で覆われています。

膀胱がんは、膀胱の内側の細胞に発生する悪性腫瘍で、大部分は移行上皮ががん化したものです。がんの広がりや深さによって分類され、治療法が選択されます。

全国で年間約2万人が膀胱がんと診断されており、発症率は男性が女性の約3倍、60歳以上の高齢者や喫煙者で発症頻度が高くなります。

原因

膀胱がんのもっとも大きな発症リスクと考えられるのは喫煙で、喫煙者は非喫煙者の2~4倍の発症率とされています。

また、炭化水素や染色工場で使用するアニリン色素、ゴム、皮革、ナフチルアミンなどの化学物質にくり返し接触することによって、これらの物質が尿中で濃縮され、がんをひきおこすと考えられます。

症状

早期のうちから症状が出やすく、もっとも多いのは血尿です。膀胱炎や尿路結石などの良性疾患でも痛みを伴う血尿がみられますが、膀胱がんは通常痛みを伴いません。

がんが進行すると、頻尿、排尿の際の痛み、残尿感など、膀胱炎と似た症状がつづく場合もあります。

尿管が閉塞されてくると背中から腰にかけて鈍痛を感じる尿路結石と似た症状がみられたり、出血が多くなると貧血がみられたりします。

検査・診断

膀胱がんは、大きく次のように分けられます。

・筋層非浸潤性がん

粘膜でとどまり、筋層まで広がっていないがんです。移行上皮がんがもっとも多く、ほかに扁平上皮がん、腺がんがあります。

・筋層浸潤性がん

筋層にまで広がったがんで、進行が早く、リンパ節や肺、骨、肝臓などに転移しやすい傾向があります。

・上皮内がん

粘膜の下をはうように広がっていく、悪性度の高いがんです。


膀胱がんが疑われる場合に、まず尿検査、腹部超音波検査、膀胱鏡検査などを行います。

これらの検査でがんが判明した場合、がんの深さや広がり、転移の有無を確認するため、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィなどの検査を行います。

また、がんの進行度を調べる検査で、治療・手術方法でもある経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が行われることもあります。

治療

がんのタイプや転移の有無などに応じて、治療法を選択します。

手術療法では、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)、膀胱全摘出術などが行われます。

切除がむずかしいケースや転移があるケースでは、抗がん剤を使った化学療法が行われます。

また高齢などで体力的に手術がむずかしいケースや膀胱の摘出を望まないケースでは、TUR-Btや抗がん剤とあわせて放射線療法が行われます。また、膀胱がん特有の治療法として、BCG膀胱内注入療法を適宜組みあわせて行います。

セルフケア

予防

膀胱がんの最大の発症リスクは喫煙です。まずは禁煙を心がけましょう。また痛みのない血尿がみられる場合は、すぐに泌尿器科を受診しましょう。

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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