悪性貧血あくせいひんけつ
最終編集日:2022/3/30
概要
悪性貧血は、萎縮性胃炎(胃粘膜の病気)、自己免疫性胃炎や胃の切除などによりビタミンB12が吸収できなくなり発症する巨赤芽球性貧血の代表です。ビタミンB12は胃酸に含まれる物質と結びつき小腸で吸収され、赤血球の生成に利用されています。そのため胃の不調はビタミンB12の吸収阻害につながり欠乏状態をひき起こします。悪性貧血は、自己免疫性胃炎によるものを特別に指す場合もあります。
原因
悪性貧血の原因は、萎縮性胃炎や胃の切除などによりビタミンB12を吸収できなくなることによるビタミンB12の欠乏です。
症状
症状は、動悸、めまい、耳鳴り、全身の倦怠感、悪心、嘔吐、下痢などです。進行すると知覚異常、歩行困難、視力障害などの神経症状や、興奮、軽い意識混濁などの精神症状が現れることもあります。
ただし、ビタミンB12は肝臓にたくさん蓄えられているので、吸収できなくなったとしてもすぐには症状が現れません。肝臓に蓄えられているビタミンB12が枯渇して欠乏症状が出るまで数年かかります。
検査・診断
血液検査や骨髄穿刺による骨髄検査、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)などが行われます。
血液検査によって貧血、血小板減少、白血球減少などが確認され、骨髄検査で巨赤芽球(肥大した赤血球)がたくさんみられると悪性貧血と診断されます。
さらに上部消化管内視鏡検査で萎縮性胃炎の有無を検査し、診断を確定します。
治療
悪性貧血のおもな治療は、ビタミンB12の注射による補充治療(足りない栄養素を補う治療)です。
セルフケア
予防
悪性貧血のセルフケアの基本は、一日三食、栄養のバランスのよい食事をすることです。
加えて、鉄分や造血に必要な栄養素を多く含む食品を取り入れます。
監修
寺下医学事務所 医学博士
寺下謙三
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