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高血圧や糖尿病の原因は「睡眠時無呼吸症候群」かも?

最終編集日:2026/3/2

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、ただの「いびきの病気」ではありません。

眠っている間に繰り返される酸素不足や、分断された眠りによって、からだのさまざまな機能に影響が及びます。

特に注意したいのが、高血圧や糖尿病といった生活習慣病との深い関係です。

「年齢のせいかな」「家系だからしかたがない」と思っていた症状の背景に、実はSASが隠れているかもしれません。


●睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

SASとは、眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう病気です。

主な原因は、空気の通り道(上気道)が狭くなること。特に肥満があると、のどの周りに脂肪がついて気道をふさぎやすくなり、リスクが高まります。

一方、鼻づまりやアレルギー、あごの骨格、扁桃の肥大などが影響することもあり、やせ型の人や子どもでも発症することがあります。


睡眠中に無呼吸が起こると血中の酸素濃度が下がり、からだはたびたび一種の「窒息状態」になります。

脳はそのたびに覚醒するため、深い眠りが得られないまま朝を迎えてしまいます。

この状態が日常的に続くことで強いストレスが蓄積し、日中の眠気や集中力の低下など、さまざまな不調を引き起こすのです。


〈こんなサインを見逃していませんか?〉

・家族から「いびきがうるさい」と指摘される

・朝起きると頭が重い、熟睡感がない

・日中に強い眠気を覚える、集中力が続かない


●生活習慣病とSASの関係

睡眠中に繰り返される無呼吸によって酸素不足や浅い眠りが続くと、組織の修復、代謝、免疫、自律神経やホルモンバランスの働きが乱れ、血圧や血糖のコントロールに影響が出ることもあります。

実際に、SASの人は高血圧や糖尿病を合併しやすいことがわかっており、患者のおよそ50%は高血圧を抱えているという報告もあります。

さらに、無呼吸の影響で血管がダメージを受けると動脈硬化が進行しやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気のリスクも高まります。

SASを合併した心不全患者は、そうでない人に比べて死亡率が高くなるという報告もあり、見過ごせない問題です。

生活習慣病の背景に、実は「眠りの異変」が潜んでいるかもしれないのです。


●進化する治療法

かつては一晩の入院が必要だった検査も、今では自宅でできる簡易検査が普及し、より手軽に診断・治療を受けられるようになりました。

重症度によっては精密検査のために入院が必要な場合もありますが、多くは外来受診から対応が可能です。


治療法は症状の重さや原因によって異なります。

軽症であれば、マウスピース(口腔内装置)を使って下あごを前に出し、気道を広げる方法が有効です。

中等度以上の場合は、CPAP(シーパップ)療法が主流で、専用のマスクで鼻から空気を送り込むことで無呼吸を防ぎます。

また、扁桃の肥大など構造的な問題がある場合は、外科的手術が検討されることもあります。


SASの治療を始めることで生活習慣病のコントロールが改善することも多く、反対に生活習慣病の改善がSASの軽減につながることも少なくありません。「よく眠れる」ことが、健康への第一歩につながるのです。

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監修

太田総合病院記念研究所附属診療所 太田睡眠科学センター長

千葉伸太郎