詰め物が取れた・抜けた……歯のトラブルの正しい対応とは?
最終編集日:2022/10/20
●詰め物が取れた ~放置は厳禁
歯の詰め物が取れた場合、詰め物を支える周りの歯質が欠けたり、むし歯になったりして支えられなくなり、外れる場合と、詰め物を歯に接着させるセメントが何らかの原因で機能しなくなって外れる場合が考えられます。前者の場合は形を整えて再製作することになりますが、後者の場合はそのまま再装着できる場合もあります。残存部分の歯質が傷まないうちに早めに装着してもらいましょう。詰め物が外れると、エナメル質に被覆されていない内部の軟弱な歯質が露出するので、むし歯が進行したり、歯の神経に菌が侵入して痛くなることもあるため、放置するのは厳禁です。
どちらにしても、詰め物がよく外れる人は、かみ締める力が強く、歯にダメージを与えるようなかみ方をしている傾向があるようで穏やかにかむ習慣をつけることをおすすめします。
●歯が抜けた ~一刻も早く受診を
歯が抜けてしまった場合は、差し歯が外れて歯の根の部分だけ残っている場合と、根ごと抜けたことが考えられます。差し歯が抜けた場合は残っている歯の根に、詰め物が取れたときと同じように再装着できることもあるので、外れた歯を持って歯科医院に行くようにしましょう。
歯が根ごと取れた場合は、転んだり、スポーツでの接触など、外力が歯にかかって抜けた場合と、大した力がかかっていないのに抜ける場合が考えられます。前者の場合、抜けてからあまり時間が経っていなければ、抜けた歯を元の場所に差し込むことも可能なので、急いで歯科医院に駆け込んでください。抜けた歯は牛乳につけて持っていくとよいでしょう。
●外力もなく歯が抜けた ~歯周病治療が必要かも?
後者の、外力がかかっていないのに歯が抜ける場合は重度の歯周病に患っていると考えられます。他の残存している歯も同じようなことにならないように、しっかり歯周病治療をする必要があるでしょう。
歯が外れたり抜けたりしている状態を放置すると、よくかめないだけでなく、歯の移動が起こってしまいます。このため、かみ合わせが悪くなり、残っている歯に無理な力がかかって全体的なバランスが崩れるため、なるべく早めに治療してもらうほうがよいでしょう。
一般に、歯は11歳ぐらいで生えそろい、それを一生涯使い続けるので、長く健康的に使うためには、口腔清掃に努め、無理な力をかけないようにすることが肝要です。
監修
中村歯科クリニック 理事長
中村輝夫
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