歯磨きをしていてもむし歯ができやすい
昨年、久しぶりに歯科を受診しました。その際、治療した歯とは別に6本のむし歯があると診断されました。朝と夜に歯磨き、夜はフロス、昼食後も軽く歯磨きをしているのに、なぜこんなにむし歯ができたのか不思議です。ただ、昔から歯が若干黄色く、むし歯になりやすいタイプかもしれません。今後、抜歯や入れ歯にならないために、どうしたらいいですか?
男性/40代
2023/01/06
昨年、むし歯が6本みつかったとのこと。特に症状もなく、フロスも使用しながら、毎日歯磨きをしているにもかかわらず、多くのむし歯ができ、信じられない思いでいるのですね。
一般的に、むし歯はなりやすい人と、なりにくい人がいます。歯磨きをしても磨き残しがあるときや、よくかまなかったり、口呼吸などで唾液が少ないとき、口の中の細菌のバランスが悪いとき(7割ほどはからだに害を与えない菌で残り3割は歯周病菌やむし歯などの原因となる細菌〈悪玉菌〉といわれる)、歯の質の問題、歯ぎしりが多く歯がすり減って詰め物が壊れているなど、多くの原因があります。
むし歯になりやすい場所もあり、一般的には奥歯のかみ合わせの溝、歯と歯の間、歯と歯肉の境目にできやすいといわれています。また、大人の歯は、内側にある象牙質が厚くなることで歯髄腔が狭くなり、痛みの伝わり方が鈍くなって、むし歯になっても痛みを感じにくいという特徴があります。
ご相談者は、歯が昔から若干人よりは黄色いため、むし歯になりやすいのではとのことですが、むし歯との関係性について調べたところ、見当たりませんでした。一般的には、歯の色には個人差があり、遺伝や環境の影響を受けるといわれています。エナメル質(歯の表面)に透明度がある方や薄い方は、象牙質の色が出やすく、黄色っぽい色になります。また、加齢による黄ばみ、たばこのヤニや飲食物の色素などが歯の表面に付き、歯の色が悪くなっている人もいます。
むし歯を避ける一番大切なことは、発生の予防です。歯垢(プラーク)の除去が重要で、年齢とともに増える歯周病の予防にもなるので、以下を参考にしてみてください。
●ブラッシングは丁寧に行う
「1日3回、食べたら磨く」を基本に正しく丁寧に磨くことです。プラークが付着するには8時間かかるため、丁寧にブラッシングをするなら、1日1回でもかまいません。だた就寝中は唾液量が減り、プラークが成長しやすいため、就寝前は丁寧に行いましょう。
●適度な力で優しく磨く
プラークを除去することと同時に優しくブラッシングをすることで、歯肉をマッサージして血行をよくし、栄養と酸素を送り込んで歯肉の炎症を和らげます。とくに歯と歯肉の境目や、歯と歯の間は磨き残しが生じやすいため、この部分のプラークを確実に落とすことが重要です。
●自分に合った歯磨き剤を選ぶ
歯磨き剤は基本成分として、研磨剤、発泡剤、香味剤などがあり、その他、むし歯や歯周病予防の効果をうたった歯磨き剤もあります。プラーク堆積を抑制する酵素剤や炎症を軽くする抗炎症剤などが含まれるタイプのものもあります。
●デンタルフロスや歯間ブラシで全体のプラークを減らす
歯ブラシで歯と歯の間のプラークは半分程度まで落とすことはできますが、残りはデンタルフロスや歯間ブラシなど、歯の間の清掃道具を用いるようにしましょう。不適切な方法でケアを行うとかえって歯や歯肉を傷めるため、鏡を使用するとよいでしょう。歯科で指導を受けることをおすすめします。
●食生活を見直す
細菌の栄養となる甘いものを食べ過ぎない、だらだら食べ続けない、唾液の分泌を多くするためによくかんで食べることをおすすめします。
その他の予防として、自費診療となりますが、定期的に歯科で検診を受ける、クリーニング等のメンテナンスを受ける、個人差はありますが、歯の強化のためにフッ素を継続して塗るなどがあります。歯磨きをしていてもむし歯が多く発生するときは、歯科医に原因を再度確認し、歯科衛生士に磨き残しのない歯磨きの方法を教えてもらうのもよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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