爪が急に黒くなった
最終編集日:2024/1/19
概要
通常、爪は薄いピンク色をしています。これが突然黒く変色する、または徐々に黒くなることがあります。爪が黒くなる原因は、おもに次のようなものです。
●爪下に血腫ができている
指を強くぶつけたり転倒して打ったりした場合に、爪が黒く変色することがあります。これは爪の下にある皮下組織の血管が切れて内出血を起こし、血液のかたまりである血腫ができたためです。軽症ならば時間とともに自然治癒しますが、痛みが強いときは爪に穴を開けてたまった血を出すことがあります。
●紫外線の影響
夏季に海岸やプールで長時間裸足でいたり、サンダルなど足指が露出する靴を履きつづけていたりすると、マニキュアが爪の色素沈着をひきおこすことがあります。
●爪甲に出た帯状の色素沈着
爪の根元から先端へ黒い線が現れた場合には、爪甲色素線条(爪の根元のほくろ)が多いです。その一方で爪白癬や爪カンジダ症などの真菌感染症や、ボーエン病や悪性黒色腫などの皮膚がんを発症している可能性があります。また、抗がん剤やミノサイクリンなどの薬剤が原因で爪の色素沈着が起こることもあります。爪甲色素線条は子どもや高齢者に多くみられます。
●悪性黒色腫
爪の一部が黒くなり、その範囲が徐々に広がってまだらに黒くなっている場合には、悪性黒色腫を発症している可能性があります。悪性黒色腫は皮膚がんの一種で、爪のみならず爪周辺の皮膚に発症することや爪の変形を伴うことがあります。
●チアノーゼ
血液中の酸素が高度に不足した状況に陥るチアノーゼを起こすと唇や指先などが紫色に変色しますが、その際に爪も紫がかった黒色になることがあります。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・呼吸困難を起こしている
・爪とともに唇や指先の皮膚も変色している
・痛みがひどく、黒くなった爪が剥がれかけている
医療機関を受診
・黒く変色した部分が広がっている
・変色した部分の色が濃くなっている
・爪の周囲の皮膚も黒く変色している
様子をみる
・けがをした指の爪が黒くなっている
・黒くなっている部分が小さい
・周囲の皮膚が日焼けをしている
セルフケア
爪の変色には太陽の紫外線が影響を与えていることがあります。外出時には手足の爪にも日焼け止めを塗りましょう。
また、治療に使っている薬が原因と思われる場合には、主治医に相談しましょう。
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監修
関東中央病院 皮膚科部長
鑑慎司
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