肛門のかゆみが続いている
20年以上、肛門のかゆみに悩んでいます。これほど長く続くのは、足の水虫のようなものなのでしょうか? かかりつけの内科はありますが、恥ずかしく相談していません。受診するなら、何科に行けばいいでしょうか?
女性/60代
2023/12/24
肛門のかゆみは、確かに人に相談しにくい憂うつな症状ですね。
肛門周囲の症状は、一般的に肛門科を受診します。医療機関によっては、患者さん同士が顔を合わせないよう動線に気を配ったり、女性専用の受診日を設けたりするなど、受診しやすい環境を整えているところもあります。ご相談者は20年以上、症状が続いているとのこと。恥ずかしがらずにぜひ受診を考えてみてください。
肛門のかゆみはよくみられる症状で、ほとんどが「肛門搔痒症」と呼ばれる病気です。ほかに原因となる病気がなく、かくことでかゆみが強くなったり、ひりひりした痛みが出たり、湿疹ができたり、切れて出血したりするものを指します。
原因として、下痢や便秘、洗いすぎ・拭きすぎなどが考えられます。下痢や便秘は肛門に刺激を与え、かゆみを起こしやすくします。また、肛門を温水洗浄便座やシャワーなどで洗いすぎたり、紙で拭きすぎたりすると皮脂が過剰に失われ、皮膚のバリア機能が低下してかゆみを感じやすくしてしまいます。
治療として、症状が強い場合にはステロイドの外用薬を用います。また、便通の改善も治療法として大切です。
肛門搔痒症は次のような対処法で、症状を軽減することができます。
●温水洗浄便座を使いすぎない、シャワー(入浴)のときにこすりすぎない。
●排便後、トイレットペーパーで拭く際には、ごしごしこすらない。
●排便習慣を身につけて、下痢や便秘を改善する。
●辛い物など、肛門の刺激になる食品を避ける。
肛門のかゆみは、ご相談者も心配されている水虫(足白癬)などの皮膚真菌症のほかに、アトピー性皮膚炎やパジェット病、痔疾患など、さまざまな病気から引き起こされます。これらの病気との鑑別診断のためにも、肛門科の受診をおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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