前立腺の痛み。今後の治療はどうなる?
1カ月ほど前、精巣の付近が痛み、泌尿器科で検査をしたところ、前立腺の痛みだろうとの診断でした。処方薬(セルニルトン)で痛みが治まり、薬の服用をやめましたが、また痛みはじめました。薬の服用は今後も続くのでしょうか? また、検査や治療などはどうすればよいでしょうか?
男性/40代
2023/12/04
前立腺は50歳を過ぎたころから大きくなっていくことがあります。これを前立腺肥大症といいます。前立腺肥大症のおもな症状は、尿が出にくいことで、痛みを自覚することはほとんどないため、ご相談者の症状や経過から前立腺肥大症の可能性は低いと思われます。
処方されたセルニルトンは、慢性前立腺炎や前立腺肥大症の治療で処方される薬です。内服薬は状態に合わせて処方されるため、今後も症状や経過をみていく中で、一定期間処方される可能性はあるでしょう。ただし、炎症が繰り返される場合は、根気強く治療を続ける必要が出てくる可能性があるため、経過をみながらの判断になると思われます。
今回の症状として痛み以外はないとのこと。主治医は慢性前立腺炎を検討し、治療している可能性が考えられますが、慢性前立腺炎はまれな疾患です。治療を行い、症状の変化などの経過観察を行うことによって、正確な診断に至ることが多くあります。
次回の受診時に、主治医に診断名は何か、今後の検査や治療の見通しなどを尋ね、経過をみていくことが大切と思われます。診断にあたっては、前立腺の触診や検尿のほか、前立腺をマッサージし、採取した前立腺の分泌液を顕微鏡で調べるなどの検査を行うことがあります。また、前立腺周囲の超音波(エコー)検査を行うこともあります。
細菌感染のある慢性前立腺炎は抗生物質などで治療をすることが多いのですが、明らかな細菌感染がない慢性前立腺炎の治療には植物エキス製剤、漢方薬などが用いられ、患者さんの体質や症状に合った場合には非常に有効です。しかし、薬剤を使用しても症状がよくならない、再発を繰り返す場合もあるため、根気強く治療を続けることが重要です。ご相談者の場合、泌尿器科専門医へ、内服終了後に再度症状が現れていることを相談され、必要な検査や治療について検討いただくことをおすすめします。
また、日常生活の一般的な注意点は、疲労をためないこと、長時間座って仕事をする場合などは会陰部の圧迫をできるだけ避け、適宜休憩することが大切です。一般的には過度のアルコールや強い香辛料の摂取は控えたほうがよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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