Question

ピロリ菌の除菌は必要?

がん検診の胃カメラで慢性胃炎と診断されました。1年後のがん検診の胃カメラで、ピロリ菌に感染しているかを確認できればと考えています。ただ、除菌治療で副作用が起こる可能性もあり、治療不要の考え方もあるようで、除菌が必ず必要かを知りたいです。

女性/30代

2023/05/17

Answer

胃内視鏡検査で慢性胃炎と診断され、1年後の胃がん検診で胃内視鏡検査の際に、ピロリ菌感染の有無を確認したいとのこと。

ピロリ菌と胃がんの原則の考え方は「ピロリ菌は胃粘膜に感染して胃炎を起こす。ピロリ菌の感染は生涯にわたって持続することが多く、胃粘膜の慢性炎症を背景として、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどのさまざまな上部消化管の病気の併発を引き起こす」とされています。こうした背景があるため、消化器専門医はピロリ菌陽性者すべてが除菌治療の対象者とする考え方が主です。


また、ピロリ菌の除菌治療を行うメリットは、胃潰瘍などの症状改善と胃がんの発生を抑制できることです。胃潰瘍では、7~8割が改善し、再発も抑制します。一方、デメリットは、除菌には抗菌薬(抗生物質)を使用するので、軟便や下痢、口中の苦味、発疹、肝機能障害などの副作用が起こることがあります。慢性胃炎の中には除菌後も症状が改善しない例が報告され、除菌後、胃粘膜が回復して胃酸が強くなるために逆流性食道炎が発生したケースもあります。しかし、多くは軽度かつ一過性のもので、投薬などの継続的な治療を必要とする場合は少ないようです。


抗生物質での治療には、安易に不十分な治療が行われることによる、耐性菌の出現の増加が指摘されています。除菌治療で投与される薬は、医師の指示どおり確実に行い、耐性菌を発生させないようにする必要があります。なお、ピロリ菌除菌の治療薬を服用中は、禁酒がすすめられます。飲酒をすると薬の作用が弱まり、除菌が成功しにくくなるという報告があるからです。


検査でピロリ菌が陽性であっても、症状がないときは除菌をすべきか否か、議論が分かれることもあります。この場合は、症状や除菌で期待される効果、副作用などを考えて消化器専門医と個別に検討する必要があるでしょう。しかし現在、自覚症状がある、胃の内視鏡検査で胃炎の所見を指摘されているなどの場合は、積極的に除菌治療を受けることがすすめられるでしょう。


ピロリ菌の感染者は日本の場合、約半数とのデータもありました。しかし、若年層では衛生環境の改善により、感染者は減少しており、今後少なくなっていくと考えられています。次回の検査時に、疑問に思う点は医師に相談し、ご自身のからだの状態について十分な説明を受け、疑問を解消するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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