Question

血便の原因と妊娠への影響

最近、何度か妻に血便がありました。痛みはないようですが、はっきりと見てわかるほどの血量ということで、何かの病気ではないかと心配です。月経も乱れ気味のようで妊娠への影響も心配しています。すぐに医療機関を受診したほうがよいでしょうか? 受診先は何科でしょうか?

男性/20代

2023/03/25

Answer

ここ最近、奥さまに数回にわたる血便があり、医療機関は何科を受診すればいいのか、また、妊娠への影響というご相談ですね。血便を伴う症状として、考えられる可能性は、痔核と大腸がんがあります。


●痔核

痔核は動脈や静脈などが網の目のように集まっており、肛門を閉じるのに役立っているクッションのような部分で、だれにでもある正常な部分です。便秘や下痢、便通異常などが原因で肛門部への負担が長年、繰り返されることで、元来正常な部分にうっ血(局所的な血液循環障害)をきたし、出血するようになったり、それを支える支持組織(そのものを支え、定性を保たせる組織)が弱まったり、断裂をきたして肛門外に脱出するようになると、痔核という病気として認識されるようになります。

痔核は、歯状線(肛門より1.5~2cm程度内側に位置する)より上の直腸にある内痔核と、歯状線より下の肛門側にある外痔核に大きく分けることができます。内痔核が出血するようになると気づきます。真っ赤な鮮血が出ます。出血の量はポタポタと出たり、ほとばしるように出たり、かなり大量です。痛みは伴いません。進んでくると排便の際に痔核が脱出するようになります。


●大腸がん

大腸とは、盲腸から始まって上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、直腸、そして肛門に至る長さ約180cmの腸をいいます。大腸がんの症状の50%は排便時の出血です。次に便秘、腹痛、腹部腫瘤、貧血などがあります。排便時の出血には、便の周囲に血液が付着している場合、便のなかに血液が混ざっている場合、排便後に紙に血液が付着する場合などがあります。また、直腸がんやS状結腸がんの場合は、病変が肛門に近いので、赤く新鮮な血液(鮮血)が出ます。血便があると大腸がんではないかと心配になります。

血便で受診した患者さんに大腸内視鏡検査をすると、100人のうち3人にがんが見つかります。残りの97人は内痔核などです。血便の97%はがんではありません。

痛みはなくても、繰り返し発症しているご様子のため、早めに受診されることをおすすめします。受診先は、消化器内科もしくは肛門科がよいでしょう。


血便が原因で不妊に至る可能性は低いですが、疲労やストレスが原因で月経に乱れが出ることがあります。女性の生殖器官はホルモンの作用によって変化し、働いています。女性のホルモンは、疲労やストレスなどの影響を受けやすいといわれ、バランスが乱れると卵巣や子宮に異常をきたします。ホルモンの分泌が十分でないと、月経の異常も起こってきます。一般的に月経の周期は、月経初日から次の月経開始の前日までの期間で、25~38日、その変動は6日以内とされ、これを正常周期と呼びます。

奥さまの月経周期が、正常周期内であれば、問題のない可能性もありますが、妊娠を希望されているようであれば、からだの状況を把握されるためにも、ぜひ基礎体温を測定してみてはいかがでしょうか。もしこれまでに産婦人科を受診されたことがなければ、基礎体温を2カ月程度記録し、妊娠の相談も含めて受診してもよいかと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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