認知症と加齢によるもの忘れを見極めるには?
同居する母の認知症を疑っています。日常的な家事のミス、日付や曜日感覚のずれが目立つようになり、日中にうとうとする時間も増えました。認知症ではと不安な反面、年相応の物忘れのようにも思われ、なかなか受診の決心がつきません。
男性/50代
2023/03/08
脳の機能は年齢を重ねるごとに徐々に低下し、物忘れをしたり、若い頃に比べて反応が鈍くなるものです。これらは人間ならば誰にでも起こりうる生理的な機能の衰えで、健康な範囲の物忘れといえるでしょう。
対して、認知症は脳が障害によるダメージを受け、記憶全体に持続的な物忘れがみられる状態を指し、日常生活や社会生活にも著しく支障をきたすようになります。健康な高齢者の加齢に伴う変化と、認知症の初期症状を見極めるのは非常に困難ですが、家族や身近な人が認知症に気づくサインとして以下のような症状が挙げられます。
●物忘れ:同じことをくり返したり、何度も同じことを聞く。置き忘れや探し物が増える
●見当識障害:現在の時間や日付、今いる場所がどこかわからない
●理解・判断力の低下:つじつまの合わない話、脈絡のない会話を続ける
●人格の変化:怒りっぽくなる、意欲や自発性の低下、興味を持っていたものに無関心になる、かわいがっていた孫を見ても興味を示さない、不安感が強くなる、など
●生活面の乱れ:夜眠らないなど睡眠リズムの変化、化粧や衣服など身だしなみに気を使わない、同じ物を買い込んだりおつりの計算ができない、味付けや調理手順など料理の変化、趣味の活動に参加しない、約束の時間をよく忘れる、自宅までの道順がわからず帰宅に時間がかかる、錠剤が大量に余るなど服薬管理ができない、詰め込むように食べる、火の消し忘れや鍵のかけ忘れ、など
こうした認知症の症状は、適切な診断や早期の治療開始により、ある程度進行を遅らせることができます。気になる症状が続くようなら、一度お母様のかかりつけ医に相談してみることをおすすめします。ご本人が症状を訴えることはないと思われるため、診察の前後などお母様がいない場面を設けて、医師に直接伝えてはいかがでしょうか。
かかりつけ医が精神科や神経内科など、認知症の医師でない場合は、専門医に相談する必要があるか確認しましょう。かかりつけ医がいない場合には最寄りの内科、物忘れ外来のある医療機関を受診するとよいでしょう。
一般的に、認知症の患者さんには否定や説得をしてはいけないとされています。適切な関わり方は症状によって異なるものの、高齢者にも同様に、物忘れや勘違いなど多少つじつまが合わないことも否定はせず、じっくりと耳を傾けてサポートする姿勢をもつとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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