Question

1カ月間、吐き気が治まらない

ここ1カ月間、吐き気が治まりません。食後、特に朝食後は嘔吐してしまいます。胃カメラ検査でポリープ、胃炎、逆流性胃腸炎がみつかり、病理検査で悪性ではないことがわかっています。しかし、処方されたナウゼリンを飲んでも効きません。医師から指摘された自律神経の乱れが原因かと鍼灸にも行きましたが、効果はありませんでした。仕事も休めず、どうしたらよいでしょうか?

男性/40代

2022/10/21

Answer

吐き気について詳しい検査や診察を受けた結果、胃には直接の原因となる所見がなく、自律神経の乱れを医師から指摘されたとのことで、まず自律神経の乱れについてご説明します。


自律神経は、血圧や体温、脈拍など生きるための不可欠な機能を管理している神経で、自分の意志でコントロールはできません。からだを一定に保つ働きがあるため、寒暖の差が激しい季節の変わり目などは、変化に適応しようとし、からだの負担が大きくなります。

自律神経は、血管や心臓、胃や腸などたくさんの器官や臓器を調整しており、自律神経が乱れた際の症状は、疲れ、頭痛、動悸、息切れ、胃腸症状など、個人差があり多様です。

普段は自律神経の働きを意識することはありませんが、自律神経の負担が増え、調子を崩すと症状が現れます。自律神経の乱れは、ストレスや生活習慣の乱れ、環境の変化、体質や性格などの要因が複雑に絡み合って起きるといわれています。


症状の背景にある身体面の病気がないかを確認するなど、心身両面の診察を行い診断されますが、自律神経の診断は難しく、経過をみてようやく診断が確定することもあります。

自律神経の乱れで医療機関を受診する場合、通常は内科、より専門的な治療が必要なときは心療内科でしょう。心療内科は、からだに現れた症状の背景に心の問題が潜んでいると考えられる病気が対象です。しかし、精神科医が心療内科を掲げて診察するケースもあり、心身両面から内科的に治療を行える心療内科専門医の情報は少ない状況です。


自律神経の乱れの対処はおもにセルフケアが中心なので、まずは主治医の指示を守りながら生活を整えましょう。また、症状を過度に心配することはかえって負担になることがあります。医師の診察を受け、症状の背景に重大な病気が隠れている心配がない場合は、あまり考え過ぎないことも大切です。

からだの不調があるときは、ストレスや疲労がたまったサインと考えて、規則的な生活習慣(起床、就寝や食事の時間を一定にする)を継続し、普段の活動を少し控え、心身ともにゆっくりするように心がけるとよいでしょう。


吐き気などの消化器症状は、日常生活の工夫で症状が軽くなることもあります。先ほどのセルフケアに加え、以下の点も参考にしてはいかがでしょうか。

●嘔吐による負担が大きいときは、白米やうどんなど消化のよいでんぷん質の食品を中心にとる

●たんぱく質は、たら・しらす・さけ・豆腐・鶏のささみ・納豆などをとり、肉の脂など脂質の多い食品は避ける

●野菜は、よく煮る・蒸すなどした軟らかいものをとる

●脂質は胃や腸の負担になるので避け、油の使用は炒め煮する程度で控えめにする

●チーズは控えめにし、牛乳などの乳製品は冷たい状態での飲食は控える

●オレンジなどのかんきつ類は、吐き気を誘うことがあるので控える

●炭酸飲料、香辛料は控えめにし、食後2時間は横にならないようにする


ご相談者は、朝食後に嘔吐してしまうこと、しかし仕事は休めないことなどから、仕事の負担が大きいのではないかとも考えられます。今後の対処としては、検査を受けた主治医を再度受診し、処方された薬を内服しても症状が続くこと、自身で対処している方法、症状の様子(いつから、どんなふうに、症状の程度、持続時間、発生する状況、症状を軽くまたは悪くするような因子、吐き気に伴う別の症状など)を相談してみてはいかがでしょうか。

主治医のもと、詳しい検査を受けているので、その後の症状の変化を伝えることも診断をするうえでは大切な情報です。そのうえで、このまま主治医のもとで治療を続けるか、心療内科など専門的な科を受診すべきか相談することをおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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