生理時と排卵日に起こる鈍痛。加えて腰の痛みも
以前から生理時と排卵日あたりに右下腹部に鈍痛を感じていました。最近は、加えて腰の痛みも生じるように。生理痛は鎮痛薬を使用しないと我慢できませんが、この痛みはそこまでではありません。ただ、家族が卵巣嚢腫で手術を受けたこともあるため、受診すべきか迷っています。
女性/30代
2022/08/23
以前から月経(生理)時や排卵日に起こる右下腹部の痛みが気になっていたところ、さらに腹部だけでなく腰痛も感じられるようになったとのこと。家族が卵巣嚢腫の手術を受けたということもあり、受診すべきか気になるところですね。
月経に伴い腹痛が起こる原因としては、次のような病気が考えられます。
●卵巣嚢腫
卵巣嚢腫の好発年齢は30~40歳とされています。卵巣嚢腫の共通した病態は、卵巣が大きくなることです。しかし、できはじめのころは、無症状のことがほとんどです。ある程度まで大きくなって初めて下腹部の膨隆や違和感、下腹部にしこりが触れる、あるいは時々出現する軽い下腹部痛などの症状が出てきます。
この嚢腫は大きくなると破裂したり、捻転することがあり、突然の激しい下腹部痛や吐き気、嘔吐、時に発熱などがみられることがあります。
子宮の壁は、外側から腹膜の一部でもある漿膜と、平滑筋細胞からなる厚い筋層、そしていちばん内側の粘膜(子宮内膜)からつくられています。子宮内膜は周期的に厚くなり、これがはがれて出てくるのが月経です。
子宮内膜症は、内膜の組織が子宮体部の筋層内に食い込んでいる子宮腺筋症(内性内膜症)と、子宮の周囲や子宮の外に散らばっている外性内膜症に分けられます。
しかし、実際に多くみられ問題となる内膜症は、子宮の外の骨盤内に存在するものなので、子宮内膜症と呼ぶ場合には骨盤内子宮内膜症のことを指しています。骨盤内子宮内膜症の好発部位は卵巣(チョコレート嚢腫)、子宮表面、子宮と直腸間の腹膜(ダグラス窩腹膜)、子宮靱帯、直腸、膀胱などです。骨盤内子宮内膜症の発生は20代にもっとも多くみられます。子宮腺筋症では40代をピークに30~50歳まで幅広くみられます。
症状は子宮内膜症の発生部位や病状の程度によって異なりますが、共通するのは強い月経痛です。月経に一致した下腹部痛や腰痛は約70~80%の人にみられ、これは症状の中でも特徴的で、次第に悪化していく傾向があります。
経過の長い骨盤内子宮内膜症では、月経以外にも月経時と同様の下腹部痛や腰痛がみられ、これに加えて性交痛や排便痛が認められることがあります。また、子宮腺筋症の場合ではしばしば月経の増量を伴います。そのほか、排卵時期に伴う腹部の痛みの場合は、卵巣から排卵するときに感じる排卵時痛の可能性も考えられます。
月経のたびに腹痛が生じ、鎮痛薬を服用しないとつらい状況であれば、上記以外にも、何かしらの疾患の可能性を否定できないため、一度、産婦人科を受診することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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