原田病で入院中です。これから何に気をつけたらいいですか?
原田病で入院中です。これはどのような病気ですか? 原因や治療法、また日常生活で気をつけること、よい食事などについて教えてください。
男性/50代
2022/07/05
原田病とは、メラニン色素細胞に対する自己免疫疾患で、おもに目のぶどう膜に炎症を起こす病気です。比較的予後のよいぶどう膜炎といえますが、再発や蔓延の心配があるため、ステロイドによる治療が必要です。
自己免疫疾患とは、通常は体外からの異物を攻撃する免疫が、何らかの原因で体内を攻撃することで起こる病態です。原田病ではメラニン色素細胞に炎症が起こるため、メラニン色素の多い組織(目、耳、髄膜、皮膚、毛髪など)に症状が出やすくなります。
初期に出やすい症状は、目の充血やかすみ、視野のゆがみ、視力低下などの眼症状(網膜の問題)が中心となります。また、頭痛や吐き気、耳鳴り、めまい、聞こえにくさなどが起こるほか、慢性化すると、皮膚の白斑(白く色が抜ける状態)や頭髪の脱毛や白髪などがみられることもあります。
目以外に炎症などの症状が現れた場合は、全身的な治療を行います。ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)を点滴で全身に投与するのが一般的な治療法なため、入院が必要になります。
症状の程度はそれぞれで、症状が出ない人もいるため、経過をみながら個々の患者さんに合った治療を行います。使用するステロイド薬は、時間をかけながら徐々に量を減らしていき、点滴から内服薬に変更します。
初期に十分なステロイド剤を使って治療すれば、多くの人は後遺症なく治ります。しかし、ステロイド剤の使用の長期化は、不眠、興奮、易感染性(感染しやすい状態になる)、胃腸障害、糖尿病、骨粗鬆症などの副作用を招くことがあります。そのためステロイド剤を早く減らしすぎたり、急にやめたりすると、原田病が再発しやすくなり、炎症が慢性化することがあります。
また、原田病が慢性化すると、白内障、緑内障、網膜の障害などの合併症を起こして、視力が低下することがあります。そのため、退院後も医師の指示どおりの通院や治療をつづけることが大切です。
不安や具体的な治療内容、今後の見通しについては、主治医によく相談し、納得したうえで治療に臨んでください。日常生活の活動や食事に制限はありませんが、ステロイド薬の影響で免疫力が低下するため、手洗い、うがい、十分な睡眠・休養を心がけ、かぜや感染症に注意しましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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