NASH(ナッシュ)とはどのような病気?
飲酒習慣がないのに脂肪肝で、医師から「NASHに気をつけて」と言われました。これはどのような病気ですか?
男性/40代
2022/06/19
脂肪肝には、お酒の飲みすぎが原因で起こるアルコール性脂肪肝と、飲酒しなくても起こる非アルコール性脂肪肝があります。非アルコール性脂肪肝による肝炎をNASHといいます。放置しておくと肝硬変や肝がんに進行する場合があるので、脂肪肝と診断されたら食事や運動など生活習慣の改善に取り組み、NASHの発症を防ぐことが大切です。
食べすぎや運動不足でエネルギー消費が追いつかないと、余ったエネルギーが中性脂肪として肝臓にたまりやすくなります。また、食生活が乱れ、急激な体重減少や栄養不足などがあると、肝臓は機能を維持するために体内の脂肪を集めるように働き、肝臓に脂肪が蓄積されやすくなります。
このような状態を招かないためには、1日3食を欠かさず、食事バランスを整えるようにしましょう。毎食「主食、主菜、副菜」をそろえるようにするとバランスが整います。主食は、ごはん、パン、麺類などです。毎食きちんととるようにしましょう。主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などを使ったメインのおかず料理で、たんぱく質の供給源になります。たんぱく質をしっかりとることは、脂肪肝の改善や肝細胞再生に役立ちます。脂肪をとりすぎないために、魚や大豆製品を積極的にとりいれ、肉は脂身の少ない部位を選ぶようにしましょう。副菜は、野菜や海藻、きのこなどのおかずで、体の代謝にかかわるビタミン、ミネラルの供給源になります。毎食、十分にとるようにしましょう。
菓子パンや糖分を多く含む食品(清涼飲料水や菓子類など)、油が多い食品(揚げ物、洋菓子、スナック菓子など)はとりすぎないようにし、夜遅い時間の食事にも注意が必要です。
運動は、まずは好きな運動を毎日続けるようにしましょう。例えば、ウォーキングなら早歩きで毎日30分以上行うのが目安です。慣れてきたらスクワット、腹筋、腕立て伏せなどの筋肉トレーニングも組み合わせると効果的です。運動で筋肉を増やすことは、肝臓を助けることにつながります。
脂肪肝を軽視せず、生活習慣の改善に取り組みながら主治医の指導のもと、経過観察を行いながら病気の進行を防ぎましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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