腰痛でぎっくり腰をくり返す……長時間同じ姿勢がつらい
25~30㎏の物をひざ下あたりから持ち上げて運ぶことをくり返す仕事をしています。何度かぎっくり腰になってしまい、最近では立つ、座る(ソファーにもたれる、畳の上に座る)、あお向けで寝る、歩く、走るなどの動きで腰がつらく、長時間同じ姿勢での動作がやりづらくなってきています。病院では、軟骨が半分になっていると言われました。モーラステープはかぶれるので、今はパップ剤を貼ったりしています。仕事は変えられないのですが、注意すべき点などはありますか?
女性/40代
2022/01/28
25~30kgの物をひざ下あたりから物を持ち上げて運ぶ動作をくり返す仕事とのこと。腰のつらさを抱えておられるなか、腰への負担感は大きいことと思います。
腰の痛みは、長時間の同じ姿勢、中腰、運動不足、骨や神経の問題、内臓に問題があるときにみられますが、ほとんどの方は、姿勢や運動不足が原因です。
その種類には、ぎっくり腰などの急性のものと、からだを動かすたびに痛むなどの慢性のものがあります。
多くの場合、数日間の安静で痛みが改善しますが、安静にしていても痛みが和らがない、強くなる、しびれなどの症状が出る場合、腰痛専門の整形外科を受診した方がよいでしょう。また、ぎっくり腰を起こしたことのある方は、くり返す確率が高まるため、予防のための対策が必要です。予防策をご紹介します。
1.腰痛体操やストレッチングを日課として行うと効果的です(痛みが強いときには無理に行わないこと)。筋力を減らさないために、1日1時間くらいを目安に歩くように心がけ、腹筋運動を行うとよいでしょう。腹筋運動は、ひざを立てて(椅子などに足を乗せる)、1つひとつの動作をゆっくりと行います。
ストレッチングの方法
① あお向けに寝てひざを立て、鼻から息を吸い、口からフーッと吐き出す。
② 両手でひざを抱え、股関節を広げ、ひざが脇にくるようにする。
③ 片方のひざは伸ばしたまま、反対側の脚のひざの上に交差させて腰をひねる。
2.中腰、同じ姿勢を長く保つこと、悪い姿勢は、腰への負担が大きくなるので、姿勢に気をつけることは大切です。
・立っているときは、おなかを突き出さず、腰をそり返らせないようにします。
・歩き疲れたときは、しゃがんでひざ小僧を抱えるような姿勢をとる。
・床から物を持ち上げるときは、腰を落とし、おなかを一枚の板のようにして、片ひざ
を深く落とし、重心をからだに近づけて持ち上げる。
・高い椅子に座ると、腰のそり返りが強くなり、腰痛の原因に。椅子の高さ調整が難しい場合には、足台などで調節する。
・寝るときは、横向きになって股関節とひざ関節を曲げておくか、あお向けの場合には、下肢の下にクッションなどを置く。腹ばい、やわらかい布団やベッドは避け、起き上がるときはまず真横になり、股関節・ひざ関節を曲げてから起きる。
・屈むときは15~20cmくらいの台に片足をのせ、両ひざを曲げて前方の洗面台などに少し体重をかける。
3.寒冷は、血流を悪くするため腰痛の原因となるため、冷やさないようにします。
痛みが強くないときには、温めることも有効です。市販のホットパックを活用するのもよいでしょう。40℃くらいのぬるめの湯にゆっくり浸かり、血流をよくします。
4.お風呂上りで体が温まっているときは、腰痛体操などを行います。仕事の合間にも適
度に休憩をとり、伸びをして腰を伸ばしたり、体操を行ったりして、体の緊張をとる
ようにします。
5.からだを温める食品や疲れに効果的がある食べ物を意識して取り入れます。
●体を温める食品:ホットミルク、スープ、にんにく、しょうが、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、魚、豆腐、牛肉、納豆、とうがらしなど
●疲れに効果のある食品:クエン酸を含む食酢・かんきつ類・うめぼしなど、緑黄色野菜、果物、きのこ類、ビタミンB1(玄米、小麦胚芽、豚肉、大豆製品、うなぎ、種実類など)
7.カルシウムの含まれるものを積極的にとります。骨量は、30歳代をピークに徐々に減るため、とくに40歳代の女性は意識していただくことが重要です。乳製品、大豆製品、ヒジキ・わかめなどの海藻、干エビ・しらす・ししゃもなどの魚、小松菜・切り干し大根などの野菜を毎日しっかりとりましょう。
8.睡眠不足や食生活の乱れがあると、思わぬけがや体調不良につながります。規則正しい生活と疲れを感じたら、早めに休むようにしましょう。
9.痛みはがまんしすぎず、病院から処方された鎮痛剤や湿布薬も活用しましょう。炎症
を抑え、痛みを和らげるため、回復を早めます。
仕事上、重たい荷物を運ぶことがつづくようですが、姿勢に注意し、適度に休憩をとりながら行ってください。腰に症状があるときは、一時的にコルセットなどを活用して腹圧を保ち、腰への不安感を取り除く方法もあります。
症状がよくならない、長くつづく場合は、X線検査や診察をお受けになり、医師にご相談になることをおすすめいたします。どうぞお大事になさってください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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